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Photographer: Paul Yeung/Bloomberg

最悪のシナリオに備えよ-米中貿易戦争巡る通貨ストラテジストの見方

  • BofAは円高を予想-関連するユーロ・円取引を勧める
  • 特にユーロには下振れリスクある-ゴールドマン
U.S. one-hundred dollar banknotes and Chinese one-hundred yuan banknotes are arranged for a photograph in Hong Kong, China, on Monday, April 15, 2019. China's holdings of Treasury securities rose for a third month as the Asian nation took on more U.S. government debt amid the trade war between the world’s two biggest economies.
Photographer: Paul Yeung/Bloomberg

米中貿易戦争がエスカレートしている。交渉再開の見込みもないまま非難合戦が続けられており、通貨ストラテジストらは最悪のシナリオに備え、外国為替相場への影響を分析している。

  投資家がリスク資産を避けるため円が強くなると予想しているバンク・オブ・アメリカ(BofA)は、関連するユーロ・円の取引を勧める。ゴールドマン・サックス・グループは、ユーロから南アフリカ・ランド、チリ・ペソに至るさまざまな通貨が火の粉を浴びるとみており、ウエストパック銀行は債券が安全な投資先だとしている。

  ピクテ・ウェルス・マネジメントのエコノミスト、トーマス・コスターグ氏(ジュネーブ在勤)は、貿易摩擦の影響を受ける為替動向が「恐らくこの市場で最も適切に分析されていないことの1つ」だと述べた。

Trade woes take toll on EM currencies

  アジア太平洋地域の一部通貨にはすでに影響が及んでいる。韓国ウォンはここ1カ月でドルに対し4%前後下落。オーストラリア・ドルは1月の急落時に記録した1豪ドル=0.6741米ドルに近づいている。インドネシア・ルピアも年初来の上げを吐き出す展開だ。

  ウエストパックの通貨戦略責任者リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、貿易戦争が一段と激化すれば「台湾と韓国の通貨が最も大きく下げる」と指摘。両通貨に加え、中国人民元と豪ドル、カナダ・ドルが「全て危うく」、ユーロは「かなり劇的に下落するだろう」と語り、通貨安に備えてこうした通貨をショート(売り持ち)とするよう促した。ただそれでも同氏の見方は、米中が最終的には「ある種のディール」に達するとの市場でのコンセンサスを反映している。

  先週、BofAの通貨チームはユーロを円に対してショートとする3カ月物のプットスプレッドを開始した。米中合意が近いようには見えないことから、投資家がセーフヘイブン(安全な避難先)を目指すとの想定からだ。

  BofAのG10通貨戦略責任者アタナシオス・バンバキディス氏はリポートで、「年初時点で市場が直面していたほぼ全ての不確実性と関連リスクが残っており、悪化しているものすらある」と説明した上で、「こうした全てが外為市場を極めて難しくしている。短期的に状況は悪化し得るというのが、今のところのわれわれの認識だ」とコメントした。

  ゴールドマンの外為・新興国市場戦略グローバル共同責任者ザック・パンドル氏は、貿易摩擦の潜在的影響がユーロや南アフリカ・ランド、チリ・ペソなどの通貨に波及すると予想。特にユーロに下振れリスクがあり、短期的には1ユーロ=1.10ドルに下落するとの見通しを示した。

原題:Currency Strategists Brace for Trade War Worse-Case Scenarios(抜粋)

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