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4月の貿易収支は3カ月連続黒字-中国向け輸出に弱さ

更新日時
  • 対中輸出は2カ月連続減、半導体製造装置・電子部品など減少
  • 輸出は引き続き低迷、下振れリスクの方が大きい状況-SMBC日興

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は4月速報で604億円の黒字と、3カ月連続で黒字となった。ただ、中国に対する収支が13カ月連続で赤字となり、全体の黒字幅は市場予想を下回った。財務省が22日発表した。

キーポイント

  • 4月の貿易収支は前年比90.3%減の604億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は2327億円の黒字)-前月は5278億円の黒字
  • 輸出は前年比2.4%減(予想は1.6%減)の6兆6588億円と5カ月連続減少-前月は2.4%減
    • 輸出数量指数は4.3%減と6カ月連続の減少
  • 輸入は6.4%増(予想は4.5%増)の6兆5983億円と2カ月連続の増加-前月1.2%増  

輸出入の推移

エコノミストの見方

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:

  • 輸出は引き続き低迷している。下振れリスクの方が大きい状況だ
  • 中国経済の減速や米中貿易戦争がどう日本の輸出に影響してくるかだけでなく、それが企業の業況感、設備投資ひいては日本経済にどのように影響してくるかを注視している
  • 今日の輸出は米国向けが増加する中でアジア、中国、EUなどは減少しており、世界経済の現状を反映するような形になっている
  • 輸出が低迷するなか、日本経済も引き続き回復に力強さに欠ける局面が続くとみている

野村証券金融経済研究所経済調査部の髙島雄貴エコノミスト:

  • 4月の実質輸出は前月比2.0%増、1-3月平均比2.5%増。市場予想よりは若干弱めだが、立ち直りを示唆
  • 地域別でみると、米国は1-3月平均比9.1%増、中国は3.9%増、中国除くアジアは3.7%増、欧州は4.4%減。中国とアジアは前回のマイナスからプラスに転じた
  • 中国は4月1日から付加価値減税があったので、付加価値税分が輸出業者に還付され、輸入には減税になる。4月は日本からの輸出が上振れていた可能性があり、5-6月は若干弱くなる可能性がある

詳細

  • 対世界輸出は中国向けの半導体製造装置・電子部品など減少-財務省担当者
  • 対世界輸入はイランからの原粗油や中国からのパソコンや携帯電話が増加-財務省
  • 対中国の貿易収支は13カ月連続の赤字
    • 輸出は6.3%減と2カ月連続マイナス、輸入は5.9%増と2カ月連続プラス
  • 輸出入の動向は内外の経済情勢や原油価格などさまざまな要因の影響を受ける-財務省
  • グローバルなサプライチェーンが複雑に絡み合っている中で、米中貿易摩擦の日本経済や世界経済への影響を一概に言うのは困難-財務省

背景

  • 1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は2四半期連続のプラスとなったが、主要項目の個人消費、設備投資、輸出はそろって減少。民需低迷による輸入の落ち込みなどが全体の押し上げに寄与しただけに、エコノミストの間では実体経済に対して慎重な見方が根強い
  • 内閣府は3月の景気動向指数で、一致指数の基調判断を景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に引き下げた。政府は4月の月例経済報告で、景気は「緩やかに回復している」との総括判断を据え置いており、24日公表予定の5月の月例総括判断が注目される
  • 対米貿易摩擦が激化する中国の4月の輸出はドルベースで前年同月比2.7%減と、市場予想(3%増)に反して減少した
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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