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GDPプラス維持も「手放しで評価できない」-増税派には追い風か

  • 輸入マイナスなければ成長なかった可能性、民需の弱さで輸入落ち込
  • 内需の増加傾向は崩れていないと茂木再生相-10月消費増税を堅持
Grocery Shoppers As Japan Growth Outlook Cut Despite Better 4Q
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Grocery Shoppers As Japan Growth Outlook Cut Despite Better 4Q
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

2019年1-3月期の実質国内総生産(GDP)は市場予想に反して2四半期連続のプラスとなった。ただ、民需の落ち込みを背景に大きく減少した輸入が全体を押し上げた格好だけに、エコノミストの間では数字ほど実体経済は強くないとの見方が多い。

  前期比の内訳をみると、民間消費は0.1%減、設備投資は0.3%減、輸出は2.4%減と主要項目がそろって弱い内容だった。一方、輸入が4.6%減と大きく落ち込んだことから、輸出との差し引きで外需がプラスに作用したほか、公共投資の1.5%増も全体の押し上げに寄与した。

GDPは主要3項目そろってマイナス

出所:内閣府(前期比)

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の宮嵜浩シニアエコノミストは、補正予算による公共投資が経済全体を下支えしたほか、民需の弱さが輸入の落ち込みとなって現れた形で、「プラス成長を手放しで評価はできない」と語った。

  茂木敏充経済再生相は20日の会見で、「雇用・所得環境の改善や高い水準にある企業収益など内需を支えるファンダメンタルズはしっかりしている」との従来の認識を繰り返し、「昨年度補正予算や今年度予算の執行による公共投資の増加も期待され、内需の増加傾向は崩れていない」と説明。今年10月の消費税率の引き上げは予定通り行う考えを改めて表明した。

  菅義偉官房長官は午前の記者会見で、1-3月期GDPの結果による消費増税への影響について問われ、「全くないと思っている」と発言。「もはやデフレではない状況ができた」との認識を示した。政府は24日に5月の月例経済報告を公表する予定で、足元の景気判断を示す。

  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは、「輸入の落ち込みがなければ、成長になっていなかった可能性が高い」とし、「この結果を持って経済はしっかりしていると結論を出すのは避けたほうがいい」と述べる一方、「GDPは象徴的であるだけに今日の数字は増税派には追い風となる」と指摘。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストはリポートで、GDPは消費増税判断には玉虫色としながらも、「日本経済に関して過度にポジティブな展望を抱くべきではないが、同時に景気後退論議が行き過ぎだった点を確認できる」と記した。

  消費増税延期を巡る不透明感は今回のGDP統計で払しょくされた訳ではなく、政府は月例経済報告などを踏まえて判断する見通し。丸山氏は月内の判断が基本シナリオとしながらも、米中貿易協議を見極めようとすれば判断は遅れざるを得ず、「混乱や批判覚悟なら参院選の公示と目される7月上旬が最終リミット」と予想している。

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