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自民党内で消えぬ消費増税慎重論、GDPが分かれ道の声も

  • 増税見送りが妥当と青山議員、凍結提言の党若手がMMT支持
  • 準備進める政府、リーマンショック級出来事ない限り実施の方針

自民党内で消費増税に慎重な意見が依然くすぶっている。政府はリーマンショック級の出来事が起こらない限り、10月から税率を8%から10%に引き上げる姿勢を崩していないが、夏の参院選を控え、政界でも各種経済指標への関心が高まっている。

Japan's Prime Minister Shinzo Abe at EU-Japan Trade Summit

安倍晋三首相

Photographer: Geert Vanden Wijngaert/Bloomberg

  青山繁晴参院議員は16日のインタビューで、税率10%は増税分の計算が容易で負担を感じやすいため「必ず消費を下押しする」と語った。米中貿易摩擦の影響などを考えると「増税見送りが妥当だ」と明言。20日に発表される1-3月期の国内総生産(GDP)の結果が「運命の分かれ道」であり、マイナス成長の場合は「大きく判断が動くと思う」との認識も示した。

  内閣府は13日に発表した3月の景気動向指数で、一致指数の基調判断を景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に引き下げた。ブルームバーグ調査で1-3月期の実質GDP予想中央値は前期比0.1%減となっている。茂木敏充経済再生担当相は19日、NHKの番組「日曜討論」で、24日発表予定の月例経済報告で企業の景況感なども加味した「政府としての景気判断」を示すと語った。

波紋広げた萩生田発言

  安倍晋三政権は2014年4月に税率を5%から8%に引き上げた際、景気が悪化したことから、当初は15年10月に予定していた10%への増税を2回にわたり延期した。今回は食料品などへの軽減税率を導入するほか、キャッシュレスのポイント還元など約2兆円の消費税対策を19年度予算に盛り込んだ。増税分を財源とした幼児教育の無償化も10月からスタートする。

  政府が増税への準備を進める中、自民党内に波紋を広げたのが萩生田光一幹事長代行の発言だった。4月18日のインターネット番組で、日本銀行が7月に発表する6月の企業短期経済観測調査(短観)などで示される経済情勢次第で「違う展開があると思う」と増税延期の可能性に言及した。

  萩生田氏は「個人の見解」と説明しているが、3月の景気動向指数の基調判断が「悪化」に引き下げられたことを受けた14日の記者会見でも、今後の経済状況を「きちんと見極めていきたい」と持論を展開。16日のロイター通信のインタビューでも消費増税延期の判断を参院選前にするべきだと語った。


世論調査は過半数が増税に「反対」

  産経新聞社とFNNが11、12両日に実施した世論調査では、10月の消費増税に「反対」が53.9%で、「賛成」は41.9%だった。

  6月26日までの国会が閉幕した後は、参院選が控えている。立憲民主党など野党各党は消費増税反対を主張。自民党内でも西田昌司参院議員が、19年度予算成立後も国会質問などで増税延期を政府側に求めていた。西田氏は先月のインタビューで、日本経済は「完全にデフレ脱却という状況になっていない」と指摘。党内では「なかなか勇気を持って発言できている人はいない」というが、延期すべきだと考える議員は「それなりにいると思う」と話していた。

  消費増税に反対している藤井聡元内閣官房参与らを講師に、財政赤字を容認する「現代金融理論(MMT)」に関する勉強会が先週開かれるなど若手議員らの動きも出てきた。主催したのは、安藤裕衆院議員らでつくる「日本の未来を考える勉強会」で、昨年、デフレ脱却までは消費増税を当面「凍結することを検討すべきだ」との提言をまとめている。

  安藤氏は17日のインタビューで、自国通貨建てで国債を発行する国は財政破綻に陥ることはないとするMMTの理論を基に、「日本の財政は危機ではなく、ある程度のインフレになるまでは政府支出の拡大を恐れるべきではない」と語った。

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