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【日本株週間展望】反発、内外政策期待で見直し買い-米中摩擦は重し

  • 米国はパウエルFRB議長などの講演やFOMC議事要旨控える
  • 国内ではGDP下振れれば景気対策や消費増税先送り観測強まる

5月4週(20ー24日)の日本株は反発の見込み。米国と中国との通商摩擦激化から米金融政策への期待が根強い上、国内でも重要経済指標を受けて景気対策などの観測が出やすい。ただ、米中交渉の不透明感は上値での重しとなる可能性がある。

  米国では20日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長、20日から23日にかけて各連銀総裁の講演が相次ぎ、22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨 (4月30日-5月1日開催分)が予定される。米中通商交渉への楽観が後退して景気の先行きに不透明感が出る中、市場予想の年内の利下げ確率が7割まで高まっているだけに、金融政策への期待が高まりやすいとみられる。23日の米5月製造業購買担当者指数(PMI)は53(前回52.6)へやや改善の見込み。

  また、国内で重要視されるのは20日の1-3月実質国内総生産(GDP)で、市場予想は前期比0.1%減(年率0.2%減)と2四半期ぶりのマイナス成長の見込み。3月の景気動向指数で基調判断が6年2カ月ぶり「悪化」に引き下げられているだけに、指標が下振れれば景気対策や秋の消費増税の延期期待が浮上しそう。日本株は連休明け後に大幅調整し、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは74%と経験的に「売られ過ぎ」とされる70%以下へ接近しつつあり、景気持ち直しへの期待が増せば見直し買いのきっかけとなる。

  もっとも、中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の米国サプライヤーへのアクセスを事実上禁止する「エンティティー・リスト」への掲載が17日に発効。中国は今のところ米国との協議継続に関心がないと国営メディアが報じるなど、通商交渉を巡っては先行きを楽観できない状況にあることから投資家心理は振れやすいとみられる。3週の日経平均株価は週間で0.4%安の2万1250円09銭となった。

≪市場関係者の見方≫
・三菱UFJ国際投信・戦略運用部の向吉善秀シニアエコノミスト
  「国内決算が出そろったことで、投資家は経済指標に目が向いてきている。市場が注意している5月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数を占う意味で、PMIが良ければ安心感が出そう。オーストラリアなど主要国は金融政策が緩和へ向き、米国でも利下げ期待が高まっているため、議事要旨でハト派的記述や連銀総裁から利下げにつながるような発言が出てくれば株式市場は好感しそう。一方、日本は1-3月の生産がかなりマイナスだったため、GDPは予想より下振れするとみる。景気後退の可能性が深刻に受け止められるようなら政府が大型経済対策を行う期待が出てくることで、買い戻しが入って戻りを試すだろう」

・JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「上値は重いが反発を予想する。対立が激しさを増した米国と中国の貿易協議は悪材料が出尽くした感じ。警戒は続くものの、6月の20カ国・地域(G20)首脳会合で両国のトップ会談なども含めて貿易問題への進展期待が続くことで売られ過ぎた分の買い戻しが入りそう。最近、中国の経済指標が低調で景気のV字回復はないことが確認されたため、追加の経済対策が見えてくると日本株にもプラスに働く。日本のGDPは成長率がゼロ前後とみているが、相当悪化すれば消費下支えなど景気刺激策への期待が高まり、株高につながる」

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