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日産、米国事業再建が復活の試金石-ゴーン体制の拡大路線のつけ重く

  • 値引きで無理を重ね販売拡大、今後はブランド向上で収益力回復図る
  • 販売奨励金の抑制ではディーラーとの関係性が課題-アナリスト

カルロス・ゴーン前会長体制からの脱却を目指す日産自動車の将来を占う試金石はかつて稼ぎ頭だった米国事業の立て直しだ。ゴーン氏の利益率を犠牲にした規模拡大戦略は米国で特に顕著だった。西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は「より健全で持続可能な」成長へと転換を図るが、規模と収益性の両立は簡単ではない。

A Nissan Motor Co. Car Dealership Ahead Of Total Vehicle Sales Figures

米ニューヨーク州の日産販売店

Photographer: Johnny Milano/Bloomberg

  日産の前期(2019年3月期)の米国販売台数は9.3%の大幅減となり、今後もさらなる減少を見込む。ゴーン前会長の拡大路線のもとで、利幅の薄いレンタカーなど法人向けフリート販売を強化したり販売奨励金を積みましたりして無理に台数を拡大してきた結果、米国での営業利益率は1-2%程度まで縮小している。

  日産が14日の決算発表で示した事業改革の1番目は「米国事業のリカバリー」だった。ゴーン体制での「過度なストレッチの影響」を最近の米国事業の収益性低下の要因に挙げる。一般顧客向けの販売を強化して高額の販売奨励金を抑制する一方、電動車や自動運転関連など競争力のある技術を搭載した新車を投入してブランド好感度を向上させる地道な戦略で、数年かけて回復を図る方針だ。

  既に今年1月からキャントン工場(ミシシッピ州)で生産調整を実施するなど取り組みを始めている。2022年度までに販売台数は約140万台、営業利益率は5%程度、平均車齢は3.5年以下の達成を目指している。販売台数は現在よりも低い水準となり収益性確保の姿勢が鮮明となる。

  西川社長は同日の会見で、「過去、相当無理な拡大をしてきた」と振り返り、それがブランド価値を下げる結果につながったと説明。今後は、拡大投資に回していた資金を新車の開発投資に振り向けるなどしてブランドの魅力を高め、「着実な成長を目指す」と話した。

  マッコーリー証券のアナリスト、ジャネット・ルイス氏は16日の取材に、「日産は今、新製品の欠落に苦しんでいる」と指摘し、米国事業の再建には、これまで強みとしてきたピックアップやSUVなどライトトラックの新製品を投入する必要があると述べた。一方、奨励金を抑制した形での販売方法を伝えるなど、ディーラーとの関係性が課題になると分析した。

  しかし、路線修正は簡単ではない。米国で日産ディーラー業をフリート販売は台数稼ぎの詐欺みたいなものだと明かす。日産がフリート販売を抑制する方向性を打ち出したことについて、「これまで現実を先送りしてきた。そして今、現実に直面しないといけなくなった。その代償は大きい」と話した。

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