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米、日本とEUに180日の猶予-自動車輸出「制限・規制」同意で

更新日時
  • トランプ政権で検討中の大統領令の草案、ブルームバーグが閲覧
  • 米国への自動車輸入、国家安全保障を脅かすと判断-検討中の草案
relates to 米、日本とEUに180日の猶予-自動車輸出「制限・規制」同意で

トランプ米政権は日本と欧州連合(EU)からの自動車・同部品輸入に関し、関税賦課を遅らせる代わりに対米輸出を「制限ないし規制」することに応じるよう日本とEUに求めて180日間の猶予を与える案を検討している。ブルームバーグが閲覧した大統領令の草案で明らかとなった。

  大統領令の草案によれば、トランプ政権は米国への自動車輸入について、国内メーカーに打撃を及ぼして先端技術に投資する能力を損なうため、国家安全保障を脅かすと判断している。事情に詳しい複数の関係者の話では、トランプ大統領は大統領令に週内に署名する見込み。

President Trump Speaks At 38th Annual National Peace Officers Memorial Service

トランプ大統領(5月15日)

Photographer: Kevin Dietsch/Pool via Bloomberg

  トランプ大統領は18日に自動車・同部品の輸入関税をめぐる判断の期限を迎える。ブルームバーグが15日の早い段階で報じた通り、日本およびEUとの交渉が続く中、大統領は関税についての判断を最大半年先送りする見通し。

  草案は「米国民が所有する企業による研究開発(R&D)支出の停滞は技術革新を阻害し、その結果、米国の国家安全保障を損ないかねない」としている。

  米商務省の報告書は、米国の技術革新能力は「現在、輸入が米独自の製造に取って代わり続けているため、深刻なリスクにさらされている」と指摘していた。

  ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とロス商務長官の各報道官にコメントを求めたがこれまでに返答はない。

  日本とEUの当局者はこれまで、メキシコとカナダが米国との新たな貿易協定である「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」で同意したような数量枠については受け入れられないと明言してきた。米国は日本およびEUと貿易交渉を進めているが、EUとは現時点では自動車の問題は取り上げられていない。

  米国は昨年、1917億ドル(約21兆円)相当の乗用車・ライトトラックを輸入したが、そのうち900億ドル余りがカナダ、メキシコからのものだった。北米自由貿易協定(NAFTA)により、両国からの輸入車は無関税となっている。その他の国・地域からの輸入車には現在、2.5%の関税が課されているが、トランプ大統領はEUなどの貿易障壁ははるかに高いとして関税率を25%に引き上げると警告している。

  米国への主な自動車輸出国はいずれも同盟国のメキシコ、カナダ、日本、ドイツ。

  菅義偉官房長官は16日の定例会見で、「米国は公表しておらず、コメントは控えたい」とした上で、「昨年9月の日米首脳会談で、貿易交渉の協議が行われている間は共同声明の精神に反する行動を取らず、自動車およびその部品について追加関税が課されることはないと直接確認している」と述べた。

  みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は「18日を控えてこの180日というリミットが何を意味するか分からないが、カナダ、メキシコなどの状況を考えてみると補足文書を交わしている。同様の手段を日本に対しても求めてくることが当然想定される」との見方を示した。

原題:Trump Mulls 6-Month Window for EU, Japan to Curb Auto Sales (1)(抜粋)

(識者コメントを追加するなどして更新します.)
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