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景気「悪化」、政府は消費増税判断への影響否定もくすぶる延期論

  • 「内需の下支え」を行い、「好循環を確保すること重要」-安倍首相
  • 自民の一部に延期論、萩生田氏は経済状況を「見極めていきたい」
A woman walks outside a train station in Tokyo's business district. 

A woman walks outside a train station in Tokyo's business district. 

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
A woman walks outside a train station in Tokyo's business district. 
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

10月に実施予定の消費増税を前に、内閣府が3月の景気動向指数の基調判断を「悪化」に引き下げたことで景気後退の懸念が広がっている。政府、与党は予定通り税率を8%から10%へ引き上げる考えを示しているが、夏の参院選を前に追加の経済対策を検討する可能性も浮上、自民党の一部には増税延期を求める声もあがる。

Japan's PM Shinzo Abe Speaks at The Liberal Democratic Party's Annual Convention

安倍晋三首相

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  安倍晋三首相は14日の経済財政諮問会議で、経済状況について「このところ輸出や生産の一部に弱さが見られており、先行きについても海外経済の動向等に十分留意していく必要がある」と述べた。その上で、「内需の下支えを確保することにより、成長と分配の好循環をしっかりと確保していくことが重要」との認識を示した。民間議員が最低賃金の力強い上昇を求めたことにも言及し、根本匠厚生労働相に適切なタイミングで報告するよう指示した。

  米中貿易摩擦が世界経済に影を落とす中、内閣府が13日に発表した3月の景気動向指数では、一致指数の基調判断を景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に引き下げた。20日は1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表されるが、ブルームバーグ調査の予想中央値は前期比0.1%減、年率換算で0.3%減となっている。

  菅義偉官房長官は13日の記者会見で、消費税率は「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、今年10月に引き上げる」と従来の方針を強調。増税可能な環境をつくるために追加の経済対策を検討する可能性について問われると「状況を見てさまざまな判断をしていくことは当然だ」と述べた。

  自民党内では、萩生田光一幹事長代行が先月、経済情勢次第で「違う展開がある」として延期もあり得るとの考えを示したことが波紋を広げた。萩生田氏は景気動向指数の悪化を受けた14日の記者会見では、「直ちに延期や凍結などの判断の基準になるとは思っていない」と述べたものの、今後の経済状況を「きちんと見極めていきたい」として、延期の可能性は否定しなかった。自民党が会見での発言をウェブサイトに掲載した。
 
  消費増税を巡っては、自民党の一部に延期を求める声が根強くある。同党の西田昌司参院議員は先月のインタビューで、完全なデフレ脱却との状況になっておらず、「景気回復が実感できないという意見が多い」と指摘。「この事実を受け止めれば、消費増税という選択肢はあり得ない」と述べた。
  
  一方、公明党の山口那津男代表は14日、今月下旬の月例経済報告で政府が「どのような認識を示すかが重要」との考えを示した。ただ、「こういったことが、直ちに消費税の予定に影響を与えるものとは考えていない」と増税延期には慎重な姿勢を崩していない。政府与党連絡会議後、記者団に語った。

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