三井住友F:今期純利益3.7%減の7000億円、市場予想下回る
萩原ゆき、浦中大我-
今期は与信関係費用の増加が利益を圧迫する見通し
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1000億円、2.3%上限に自己株を取得-9月に消却へ
三井住友フィナンシャルグループは15日、今期(2020年3月期)の連結純利益目標が前期比3.7%減の7000億円になるとの見通しを発表した。市場予想を下回った。与信関係費用の増加が見込まれていることが影響する。

三井住友銀行の看板(都内)
ブルームバーグが集計したアナリスト16人の今期純利益の予想平均は7268億円だった。4月1日付けで就任した太田純社長は15日の会見で、今期の収益環境は前期下期(18年10月-19年3月期)の地合いを引き継いでおり厳しいとし、「米中貿易問題などによる経済減速影響がどこに出てくるかわからない」と述べた。
19年3月期決算の主な内容 |
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前期の純利益は前の期比1%減の7267億円。太田氏は前期に市場環境が悪化したために資産運用事業が低調だったとコメント。国際事業部門は引き続き堅調に推移しており、本業のもうけを示す連結業務純益は1兆1923億円と同1%減少。同氏はグループ再編の影響を除けば前年度並みを確保したと話した。
同社は自社株の取得や増配など株主還元策についても発表。1000億円、発行済み株式総数の2.3%を上限とし、16日から8月30日までの予定で自社株式を取得する。取引一任契約に基づく市場買い付けを予定している。取得した株式は全て9月20日に消却するとしている。自社株取得の規模は前期を300億円上回る。前期の年間配当は1株当り180円と10円の増配。今期の配当予想は180円に据え置いた。