コンテンツにスキップする

野村がオンライン標的の特命チーム始動、なるか3度目の正直

  • 対面取引の補完ではなく、オンライン取引を柱の一つにしていく
  • デジタル技術を社内各部門に取り入れるためのCEO直轄組織を新設
Pedestrians wait for a traffic signal in front of a branch of Nomura Securities Co., a unit of Nomura Holdings Inc., in Tokyo. 

Pedestrians wait for a traffic signal in front of a branch of Nomura Securities Co., a unit of Nomura Holdings Inc., in Tokyo. 

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
Pedestrians wait for a traffic signal in front of a branch of Nomura Securities Co., a unit of Nomura Holdings Inc., in Tokyo. 
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

野村証券のオンライン口座の預かり資産は業界首位。でも、存在感は薄いーー。こうした現状を打破しようと、新たなプロジェクトが動き出した。野村ホールディングスの社内横断組織、未来共創カンパニーを取りまとめる池田肇執行役員は、改革に当たって積極的に顧客の声を取り入れる方針を示した。

  同カンパニーはデジタルを含む技術革新を社内各部門に取り入れるために4月1日付で設置。永井浩二最高経営責任者(CEO)の直轄組織としたが、プロジェクトの成功は「トップがやれと言ったから皆が従うかというとそうではなく、われわれが各部署にイケてる提案をできるかどうかにかかっている」と池田氏はブルームバーグとのインタビューで語った。

  中長期的な目標として、既存の顧客基盤の活用と拡大、サービスのオンライン化、リサーチ情報やコンテンツのデジタル化、社内外の技術の活用を掲げる。差し当たって力を入れるのが、オンライン取引の強化に向けた既存顧客のニーズ調査だ。

  池田氏によると、今月から役員らが率先して顧客にインタビューを始めた。オンライン取引に精通した10-20人に丁寧な聞き取り調査をし、隠れたニーズを探ることで、各部署への提案力を磨くという。並行してこれまでの顧客からの問い合わせや要望の再分析にも着手した。現在は4人の役員と外部委託数人という小所帯だが、今後も「少数精鋭でやりたい」としている。

tmp-1f26UR7H4SQaR

  野村HDはインターネット専業証券として1999年に野村ファンドネット証券、2006年にジョインベスト証券を立ち上げたがいずれも撤退。オンライン口座の預かり資産自体は34兆5000億円で業界首位ながら個人の株式委託売買代金シェアはネット専業各社の後塵(こうじん)を拝している。池田氏はネット証券や他業種の参入で「相当差し込まれている」と指摘。オンラインは対面取引の補完という考えは捨て、柱の一つにしていくとの決意を示した。

  「戦艦大和は軌道修正が難しい。退潮も時の流れかと思う」。オンライン証券を傘下に抱え、18年度連結決算が過去最高益となったSBIホールディングスの北尾吉孝社長は4月、10年ぶりの純損失となった野村HDなど既存の証券ビジネスについてこうコメントした。池田氏も「大きな会社が既存業務と並行して新たな柱を立ち上げるのは、結構大変だなという実感がある」と漏らす。

tmp-1AIMrsmq13JBb

  このため、同社が期待するものの一つが外部の力だ。部署内に外部スタッフを抱えるほか、インターネット上でサービスの基盤を提供するプラットフォーマーとの連携により顧客基盤の爆発的拡大を目指すという。LINE(ライン)との合弁で設立準備中のLINE証券が一例。オンライン取引で新たな顧客獲得を狙う3度目の挑戦に向けて、正念場を迎えている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE