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ゴーンショック収まらず、日産は今期4期連続減益に-17円の減配

更新日時
  • 今期営業益28%減の見通し、市場予想の最低値を下回る-売上高も減少
  • 09年3月期以来の低水準、米国事業の立て直しに本腰

日産自動車は14日、今期(2020年3月期)の営業利益が前期比28%減の2300億円になるとの見通しを示した。市場予想の最低値3450億円を大きく下回り、リーマン・ショックで営業赤字となった09年3月以降で最も低い水準となった。カルロス・ゴーン前会長の逮捕から半年たっても混乱から抜け出せない状況が浮き彫りとなった。

Nissan, Renault and Mitsubishi Motors Heads Hold News Conference as Ghosn Seeks to Regain Clout

日産のロゴ(横浜市、19年3月)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  発表資料によると、販売奨励金の抑制などブランド価値を向上させるためのコスト増や、原材料価格の高騰などが利益を圧迫するとしている。ブルームバーグが集計した市場予想の最低値は3450億円だった。

  昨年11月にゴーン前会長が逮捕され、日産は今年に入ってから前期(19年3月期)の連結営業利益を2度引き下げた。前期の営業利益実績は45%減の3182億円と期初の見通しから大きく下がったが、今期はそれをさらに下回ることになる。

  西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は横浜市の本社での会見で「大変厳しい状況。過去相当無理な拡大をした」とした上で、「これから先は選択と集中をする」と述べた。自身の進退のタイミングについては自分だけで決められることではないとして言及を控えた。

日産決算の要旨
今期見通しは市場予想平均値を下回る
  • 売上高:前期比2.4%減の11兆3000億円(市場予想値11兆6141億円)
  • 営業利益:同28%減の2300億円(同4533億円)
  • 純利益:同47%減の1700億円(同3300億円)
今期の主な計画値
  • 世界販売台数:554万台(前期551.6万台)
  • 年間配当:1株40円(前期比17円の減配)
  • 為替レート:1ドル=110円(前期110.9円)、1ユーロ=129円(128.4円)

  世界販売台数は前期比微減の554万台。中国が9.3%、日本が2.3%の増加を見込むものの最大の市場である北米では5.9%減と予想している。安定的な収益性を確保できる事業基盤を構築するため、米国事業の立て直しと事業や投資の適正化を図り、商品の刷新を軸にブランドイメージ向上に向けて「地に足のついた活動」を行っていくとした。

  米国事業はゴーン前会長時代から高すぎる販売目標を掲げてきた弊害で、収益性が低下したと指摘。具体的には法人向け以外の販売に集中して販売奨励金の抑制に努めるなどして回復に努めるとした。その一方で電動化や日産独自の自動運転技技術「プロパイロット」などの新技術に集中して投資をすることで商品の競争力も高めていくという。

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  22年度末までに売上高営業利益率は6%台を目指すという。従来は8%の目標を掲げていた。前期の年間配当は従来予想通り1株当たり57円としたものの、今期は40円と約30%の大幅な減配を見込んでいる


進退には言及せず

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは日産は今まで利益が上がっても下がっても配当を増やしてきたと指摘。投資家が日産の株を買っていたのは「配当が魅力的だったから」だったとし、それがなくなると株価は大幅に下落するのではとの考えを示した。

  一方、日産に対して経営統合を求めている仏ルノーとの関係について西川氏は、ジャンドミニク・スナール会長との間で「今はその議論をする時期ではない」という点で一致していると明らかにした。

  西川氏は外形的な統合は、日産の価値を生み出す力や技術、従業員や顧客を毀損(きそん)するリスクがあると現時点の統合は適当ではないと考える理由を説明。スナール氏とはお互いの意見が違うところは十分認識しているとし、まずは業績の回復に集中することに対して同氏の「フルサポートの理解をいただいている」と述べた。

(日産社長の会見での発言やアナリストのコメントを追加して更新します.)
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