コンテンツにスキップする

18年度経常黒字、5年ぶりに前年度下回る-貿易収支が悪化

更新日時
  • 18年度の経常黒字幅縮小は原油高による貿易黒字の縮小-財務省
  • 貿易収支が経常収支のけん引役となる可能性は低い-第一生命経研

2018年度のモノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、原油高に伴い貿易収支の黒字幅が縮小する中、5年ぶりに前年度を下回った。3月は黒字幅が前年比で2カ月ぶりに縮小した。財務省が14日発表した。

キーポイント

  • 18年度の経常収支は前年度比12.4%減の19兆4144億円の黒字-5年ぶり黒字幅縮小
    • 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は84.4%減の7068億円の黒字
    • 海外配当金や債券利子などの第1次所得収支は3.9%増の21兆652億円の黒字
  • 3月の経常収支は前年同月比10.6%減の2兆8479億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は3兆200億円の黒字)
    • 貿易収支は40.8%減の7001億円の黒字(予想は8395億円の黒字)
    • 第1次所得収支は3.6%減の2兆564億円の黒字

経常収支の推移
詳細

  • 18年度の経常収支は国際通貨基金(IMF)の国際収支マニュアルが改訂された1996年度以降23年連続の黒字-財務省担当者
    • 経常収支の黒字幅縮小は5年ぶり-原油高による貿易黒字縮小
    • サービス収支のうち旅行収支、知的財産権等使用料は過去最高
    • 第1次所得収支は過去2位の高水準
  • 3月の経常収支の黒字幅縮小は、貿易収支と第1次所得収支の黒字幅縮小-財務省
    • 貿易黒字の縮小は、中国含むアジア向けで輸入増加する中、輸出額が同地域で減少
    • 第1次所得黒字の縮小は、証券投資で配当受け取り減少
    • サービス収支の3451億円は単月として過去最高
      • 旅行収支(2076億円)と訪日外国人旅行者数はともに3月として過去最高

エコノミストの見方

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:(リポート)

  • 先行き経常黒字はこう着しやすいだろう。米中貿易摩擦の本格化で日本からアジア向け輸出が低迷する可能性が高い一方、原油価格にも下押し圧力が掛かり、輸入が縮小しやすい
  • 19年度は輸出入とも低迷する形で高水準の経常黒字が維持される見通し
  • 貿易摩擦により生産拠点の現地化が促されやすい。貿易黒字に縮小圧力が掛かる一方で、直接投資収益の黒字が拡大しやすくなろう

第一生命経済研究所の小池理人副主任エコノミスト:(リポート)

  • 米中貿易摩擦が5月に入り激しさを増すなど、今後輸出が大きく改善するシナリオは描きにくく、貿易収支が経常収支のけん引役となる可能性低い
  • 貿易収支の弱い動きを所得収支が下支えする形で、経常収支は横ばい程度の動きを続けると予想
  • ただ、米中貿易摩擦が一層激しさを増す場合、世界経済減速を受けた輸出減や為替の円高推移が生じる可能性が高く、貿易収支および所得収支の悪化から、経常収支の黒字幅が縮小するリスクがあることにも注意が必要
(エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE