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FRBの説明いったん信じたトレーダー、米中対立で利回り再考か

  • パウエル議長は物価抑制の諸要素が一過性のものである可能性指摘
  • 関税引き上げの悪影響実感なら米10年債利回り落ち込みも-タン氏

インフレを巡る米金融当局の楽観的な見方は、年内利下げの可能性をトレーダーがいったん問い直す機会になったかもしれない。しかし、トレーダーは再び自らこの問題を解明しようとしている。

  世界第一と第二の経済大国の貿易摩擦激化に伴い、こうした動きが勢いを増している。米国による直近の対中関税引き上げや、中国側の報復方針の表明は、米国債利回り上昇の根拠を切り崩すものだ。10日発表の4月の米消費者物価指数が予想を下回る伸びとなったことも同利回りには重しとなる。投資家は米中対立の早期解決を期待するよりも、対立の悪影響が経済指標や市場に顕在化すれば、利回り押し下げの好機と捉える公算が大きい。

Futures traders are reinstating pricing for a rate cut this year

  連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこれまでにも、市場環境が緊張に見舞われた場合にハト派的姿勢に傾く用意を示しており、株価が急落すれば利回り圧迫につながる可能性がある。パウエル議長は今月初め、物価圧力を抑制している諸要素は「一過性」のものであるかもしれないと指摘したが、金融状況はそれ以降、引き締まっている。それにもかかわらず、債券トレーダーは2週連続で予想インフレ率を押し上げてきた。

Fed Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

パウエルFRB議長

Photographer: Anna Moneymaker/Bloomberg

  アメリカン・センチュリー・インベストメント・マネジメントのグローバル債券担当の共同最高投資責任者(CIO)、チャールズ・タン氏は先週、「この問題の解決にどの程度の期間を要するか、市場は恐らく過小評価している」と分析。「貿易戦争がエスカレートする公算が大きいと確信するなら、成長についてもう少し弱気の見通しを織り込む必要がある」と語った。

  タン氏は米中交渉が続けられるなら、10年債利回りは2.40-2.70%のレンジの下限で推移すると予想する一方、「事態の打開に至らず、関税率引き上げの影響を人々が実感するようになれば」、2%近辺に落ち込むと見込んでいる。

原題:Tariff Turmoil Helps Rates Traders Wrest Narrative Back From Fed(抜粋)

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