コンテンツにスキップする

燃え尽きたブローカーが心機一転、格安証券会社設立で業界の手本に

  • カマス氏のゼロダ、インドで一番人気の証券会社-競争にも直面
  • 人気の秘密は使いやすいプラットフォームと一部無料の格安手数料

インドでブローカーやトレーダーとして10年間働いたニティン・カマス氏は、燃え尽きてしまった。旧態依然の証券業界の在り方にもうんざりしていた。

  そんな同氏は世界が金融危機に依然あえいでいた2009年、独立してオンライン証券会社を設立するという思い切った行動に出た。人々からクレイジーだと言われたが、今は違う。

Zerodha Founder Nithin Kamath Gets Rich Helping Millennials Trade for Free

カマス氏

Photographer: Karen Dias/Bloomberg

  携帯電話で使いやすいプラットフォームと、保有期間によっては無料という格安手数料を提供する同氏の証券会社「ゼロダ」は、ミレニアルとジェネレーションZ世代の人口が世界最大のインドで、大ヒットとなった。これはカマス氏を大金持ちにしたばかりでなく、従来型の業界にやり方を変えることを考えるきっかけを与えた。ゼロダは、金融機関が高成長の新興市場国・地域の若者をどう引き付けるかという課題に1つの答えを導く例となった。

  カマス氏(39)によれば、ゼロダの成功の鍵はグーグルのようなシンプルなプラットフォームと、営業費用を抑えて競合他社より手数料を安くできる能力にある。ゼロダにはマーケティング予算がなく、新規ユーザー獲得は口コミに頼っていると、同氏がインタビューで述べた。

Zerodha Founder Nithin Kamath Gets Rich Helping Millennials Trade for Free

ゼロダのアプリ

Photographer: Karen Dias/Bloomberg

  この事業モデルは別に斬新ではなく、米国のロビンフッドも同様の戦略を取っている。しかし、インドでこれを初採用した企業の1社がゼロダだった。インドは富の増大とスマートフォンの普及により、フィンテック新興企業にとって成長著しい市場。ゼロダは現在、90万9000人のアクティブトレーダーを顧客として抱え、業界の先頭を走っている。顧客の約3分の2は37歳以下で、取引の70%余りは携帯端末を通して行われるという。

Zerodha Founder Nithin Kamath Gets Rich Helping Millennials Trade for Free

カマス氏とオフィスの風景

Photographer: Karen Dias/Bloomberg

  ゼロダの成功が続く保証はない。インドの通常の証券会社も既に料金を引き下げ、今後も市場シェアを維持するため値下げを続けるだろうと、HDFC証券のアナリストがリポートで指摘した。インドの決済サービス大手のペイTMもオンライン証券サービスを開始しようとしている。こうしたテクノロジーに強いスタートアップはゼロダにとって最大の脅威だ。

  どこが優位に立つかは、資本市場の経験のない新しい投資家を呼び込めるかにかかっている。カマス氏はこれに自信を示す。「新しい参加者を市場というエコシステムに加えているのは当社だけだ」と述べた。

原題:Burned-Out Broker Got Rich Giving Free Trades to Millennials (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE