コンテンツにスキップする

FOMC、利下げ傾斜強めるか-トランプ政権の対中関税引き上げで

トランプ米大統領が関税引き上げの脅しを実行に移したことを受け、米連邦準備当局は政策金利引き下げへの傾斜を強めることは考えられる。ただ、早急な利下げは期待しないほうが良さそうだ。

  関税引き上げは輸入物価を押し上げるため、インフレ率に上昇圧力を加える一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)の関心はむしろ、消費者や企業の支出が抑制されることで景気全体に悪影響が及ぶ可能性の方に向かうだろうと、複数の専門家が述べた。

  「金融当局が最初に注目するのは経済成長への影響だろう。インフレへの影響はその後だ」と、JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は7日付の顧客リポートで述べていた。

  10日のフェデラルファンド(FF)金利先物市場は、2020年の年初から数カ月内の利下げ確率を100%として織り込んでいる。トランプ氏が関税引き上げをツイッターで言明する前の先週の時点では、利下げはさらに数カ月先と予想されていた。9日の米国債市場では10年債と3カ月物財務省短期証券(TB)金利の差が一時マイナスに転じた。逆イールド現象はリセッション(景気後退)の前兆とみなされることが多い。

  中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当への追加関税率は、10%から25%に引き上げられた。それ自体が米国内総生産(GDP)に与える影響は大きいものにはならない。JPモルガンのフェロリ氏は経済成長率への直接的な打撃が0.2ポイント程度と考えている。

  経済と米連邦準備当局にとって極めて重要なのは、貿易摩擦の激化に金融市場がどう反応するのか、そしてこの問題に関連した不透明感が企業の景況感と投資にどう響くのか、という点だとドイチェ・バンク・セキュリティーズのチーフエコノミスト、ピーター・フーパー氏は分析している。

  エバコアISIの中銀戦略責任者、クリシュナ・グハ氏は、関税引き上げを受けてすぐに米金利が引き下げられると期待しないよう投資家にくぎを刺す。

  「FOMCはつい最近、利下げは近い将来にないことを確認したばかりであり、貿易摩擦の激化に伴う市場と経済成長の軟化に備え、即座に保険を用意する気にはならないと弊社はみている」と、9日付の顧客リポートで説明した。

原題:Fed Seen as More Likely to Cut Rates After Trump Boosts Tariffs(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE