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【日本株週間展望】軟調、景気指標悪化を懸念ー米中協議も警戒

  • 米国の小売売上高と製造業景況指数や中国の鉱工業生産が鈍化へ
  • 3月の景気動向指数は悪化に下方修正の公算、景気後退の可能性

5月3週(13ー17日)の日本株は軟調となる見込みだ。国内外で経済指標が悪化するとの見通しから景気や企業業績の先行きを見極めたいとのムードが強まる。為替市場での円の高止まりや米中貿易協議に対する警戒感も継続する。

  経済指標は米国で15日に4月の小売売上高、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、16日に4月の住宅着工件数などが公表される。市場予想は小売売上高が前月比0.2%増(前回1.6%増)、NY連銀指数が8.0(同10.1)と鈍化する一方、住宅着工件数が前月比7.1%(同0.3%減)と改善する見通し。中国では15日に4月の鉱工業生産と小売売上高、1-4月の固定資産投資が発表され、鉱工業生産は前年比で6.5%増と前回の8.5%増から伸び悩むとみられている。

  国内では13日に3月の景気動向指数が公表される。基調判断は景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に下方修正される公算が大きいため、株価の重しになりそう。終盤を迎える決算発表は13日にエーザイやブリヂストン、14日に武田薬品工業や日産自動車、15日に住友化学やKDDI、三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガ銀と続く。岡三証券によると8日までに開示したTOPIX企業の2018年度経常利益は前年度比2.8%増、19年度会社計画は1%増となっている。

  注目の米中貿易協議では、米国が10日に中国からの輸入品2000億ドル相当への関税率を10%から25%に引き上げた。大和総研によれば、今回の関税引き上げで米国の国内総生産(GDP)を年率で0.28%ポイント、中国は輸出減で同0.22%ポイント押し下げられると試算されており、両国の摩擦は世界経済を通じて日本企業の業績にも悪影響を与えかねない。今後は追加関税の対象外にある中国製品3250億ドル相当への関税賦課に発展するかが注目される。5月2週の日経平均は週間で4.1%安の2万1344円92銭と5週ぶりに反落した。

日経平均株価の推移

≪市場関係者の見方≫
●大和総研経済調査部の小林俊介エコノミスト
  「軟調な展開を予想する。経済指標では中国で不動産バブルにくぎを刺す口先介入があっただけに鉱工業生産や固定資産投資は物足りないものとなるだろう。米国の小売売上高は前月の反動から鈍化は避けられず、株価をアップサイドに持っていくには力不足だ。国内でも景気動向指数は3月の生産や出荷が弱かったことから景気後退が意識され、マーケットのセンチメントは悪化しやすい。ただ、消費増税延期の可能性を織り込み始めるため、内需関連に資金が入ることが支え。米中通商協議は完全に決裂することは考えにくく、焦点は追加関税の対象外にある中国製品3250億ドル相当への関税賦課に移るが、交渉は継続されるため最終合意への期待は続く」

●三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之シニアストラテジスト
  「いったんは調整局面にならざるを得ない。米国の対中関税引き上げによる影響がどこまで広がるのかが焦点になる。改善傾向にあったグローバルの景況感に当面マイナスの影響を与え、日本企業を含めたサプライチェーンの問題に対する警戒も強まるだろう。中国では4月の指標がやや改善すると予想されるが、米中摩擦の影響のほうがより大きいため、良くても材料視されない可能性がある。米中交渉の進展次第の面はあるものの、改善が見られないければ日経平均は2万500円近辺まで下落するリスクがある」

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