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余剰資金は株主に還元を、フェイスに38倍増配要求ー米アクティビスト

  • RMBキャピタルが1株当たり380円の配当求める株主提案を実施
  • 少数株主の多くが賛同してくれれば会社も無視するわけにはいかない

有効活用していない余剰資金は株主に還元すべきだーー。音楽・映像配信のフェイスに対して、38倍もの大幅増配を求めた米アクティビストファンドのRMBキャピタル。細水政和ポートフォリオマネジャーは、会社側が示していた企業の合併・買収(M&A)などの戦略が実行されていないとして、今回の提案に踏み切ったと狙いを語った。

  フェイスの4月26日の発表資料によると、RMBは同日付の書面で1株当たり380円の配当を求める株主提案を行った。会社側が予定している前期(2019年3月期)配当の10円を大幅に上回る水準。フェイスが2年前に実施した株式交換による企業買収で温存した現金を有効活用していないことを理由としている。 

  RMBはフェイスが17年8月に日本コロムビアを完全子会社化した際、現金ではなく株式交換の手法を取り、企業買収を含む事業拡大に投資する方針だと説明したにもかかわらず、約2年たった現在も実現していないと指摘。現金買収だった場合に日本コロムビアの少数株主が得たはずの約50億円を配当で還元すると1株380円になるとした。決算資料によると、昨年12月末時点のフェイスの現預金は121億円。

  日本コロムビアの株主でもあったRMBは当時、株主交換ではなく現金による公開買い付けを主張していた。細水氏はブルームバーグに対して「新株発行を伴う株式交換による買収は実質的なエクイティファイナンスだ」と指摘。買収を含む投資を検討していたのであれば「当然その裏に具体的な案件があってしかるべきで、1年待てても2年は待てない」とした。

  細水氏によると、フェイス経営陣とは面会や電話により年8回程度直接対話をするなど「誠実に対応してもらっている」という。同社の年間配当は10円が続いているが、この水準については「特にプラス評価でもマイナス評価でもない」とし、380円は「毎年出すべき配当ではなく、特別配当的に余剰資金を株主に返す意味合いだ」と説明する。

  ブルームバーグのデータによると、RMBの株式保有比率は10.98%と創業社長の平沢創氏(34.52%)に次ぐ2位。細水氏は会社側の賛成がないと株主提案の可決は厳しいことを認めつつ「仮に否決されても、少数株主の多くが提案に賛同してくれれば上場会社として意見を無視するわけにはいかなくなると思う。勝ち負けではなく、長期的視点に立って考えたい」との認識を示した。

  RMBの提案に対し、フェイスは4月の発表資料で「本提案に対する当社取締役会の意見については、決定次第速やかに公表する」としている。

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