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中国、トランプ氏と闘う武器は金融市場にあり-米国債保有と元相場

  • トランプ大統領が気にかけているのは金融市場
  • 18年のオフショア人民元はドルに対して5.5%下落した

中国は米国との貿易戦争で金融市場を標的とする武器を持っている。 大量の米国債保有と為替相場だ。ただ、こうした武力に訴えれば、代償も大きそうだ。

  トランプ米大統領が2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品の関税を引き上げれば報復すると中国は表明している。しかし、関税に対して関税で対抗するのは中国が採りそうな戦略ではないと、米外交問題評議会(CFR)のブラッド・セッツァー上級研究員(国際経済)は話す。

  「米国の関税に対して中国が同額の米製品に関税をかければ、その中には中国の輸出品の一部になる製品も混じるだろう」と同研究員は指摘。関税による報復は「多くの場合中国を直接傷付けるだろう」と述べる。

  トランプ大統領は金融市場に気にかけている。これに注目して中国は次のような武器を使うことができる。

人民元切り下げ

  中国当局は、自国経済に対する米関税の影響を相殺するために人民元を切り下げることが可能だ。2018年のオフショア人民元はドルに対して5.5%下落し、トランプ大統領をいら立たせた。中国が意図的に通貨を弱くしたとの臆測も浮上した。

  ただ、15年に人民元を事実上切り下げた際に資本流出に見舞われた経験が、当局をためらわせるだろうと、UBSグループの中国担当チーフエコノミストの汪涛氏は言う。

米国債売り

  中国は1兆1000億ドル相当の米国債を保有しており、保有高は外国勢の中で最大。この保有を減らすことは強力な武器になる公算だ。昨年は、中国当局が米国債買いを減速または停止することを促しているとの報道が債券市場を動揺させた。

  しかしこれについても、 コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのストラテジスト、エド・アルハッサイニー氏は、中国が米国債を売って「米国債利回りが急上昇すると、残りの保有米国債の価値が下がるほか、ドルの急騰を招く恐れがある。「財政と為替安定性へのリスクは、この戦略の恩恵を上回る公算だ」と指摘している。

INGの大中華圏担当エコノミスト、アイリス・パン氏が語る

(Source: Bloomberg)

原題:China Is Armed With Powerful Market Weapons in Duel With Trump(抜粋)

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