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トランプ大統領の対中関税引き上げ計画、米成長を抑制する可能性

  • 大多数のエコノミストは関税や貿易戦争が経済に悪影響及ぼすとみる
  • トランプ大統領は貿易戦争が米成長を後押しするという考えに傾く
トランプ大統領

トランプ大統領

Photographer: Al Drago/Bloomberg
トランプ大統領
Photographer: Al Drago/Bloomberg

大多数のエコノミストは、歴史を顧みれば関税や貿易戦争は経済に悪影響を及ぼすという見解で一致している。例えば鉄鋼産業を海外との競争から守るために関税を引き上げれば、鉄鋼を材料としているはるかに多い数の国内企業の製造コストを押し上げることになるからだ。さらに、経済の他の部分、例えば農業に打撃を及ぼす報復措置を招き得る。つまり、狭い範囲の短期的な恩恵を狙っても、より大きく幅広い長期的なマイナスの代償を支払うことになる。

  世界一の経済大国である米国のリーダーがこの事実を認めなかったらどうなるだろうか。ホワイトハウス内の議論に詳しい複数の関係者が匿名で明らかにしたところでは、トランプ大統領は過去1年にわたり、そして特に最近、中国への圧力を強めているが、そうする中で大統領は貿易戦争が米経済成長を後押しし、自分の立場を有利にするという考えに一段と傾いているという。

  世界経済にとっては、こうしたトランプ大統領の考え方は10日の対中関税引き上げと同じくらい不吉な前兆になり得る。トランプ大統領の主張は直近の2つの経済データに基づいている。すなわち、純輸出などが寄与し、1-3月(第1四半期)の米実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率3.2%増と予想を上回ったことと、非農業部門雇用者数が前月比26万3000人増加した4月の米雇用統計だ。

  トランプ大統領は今月5日、自分の導入した関税は「われわれの素晴らしい経済の結果をもたらした要因の1つだ」とツイート。ムニューシン財務長官は翌6日、「貿易政策の一部がGDPに寄与したことは疑いない」と語った。確かに今年1、2月は輸入が鈍化し、GDPの伸びに貢献した。

(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)

原題:Trump’s Planned China Tariff Hikes Could Slam U.S. Growth(抜粋)

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