コンテンツにスキップする

北朝鮮ミサイル実験への抑制された反応、さらなる行動促す危険も

更新日時
  • 北朝鮮は9日に2発の短距離ミサイルとみられる飛翔体を発射
  • トランプ大統領は控えめな反応、北朝鮮は実験継続可能と受け止めも

北朝鮮はミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体の発射実験を今週再び実施し、許される範囲を押し広げるかのような行動に出た。トランプ米大統領が支持する国際的制裁に違反する動きだが、これまでのところ反応は抑えられている。

  北朝鮮は9日に2発の短距離ミサイルとみられる飛翔体を発射。金正恩朝鮮労働党委員長は先週も数発の飛翔体を発射した軍事訓練を指導した。核不拡散問題の専門家によると、これらの飛翔体には短距離弾道ミサイルも含まれていたとみられるが、トランプ大統領はこの日記者団に対し、「小さめのミサイルだ。快く思う者は誰もいない」と述べるにとどめた。米国防総省は9日遅く、北朝鮮が先に発射した飛翔体について、「複数の弾道ミサイル」の実験を行ったと確認した。

  飛翔体の発射は、米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が米朝協議の再開に向けた方策を話し合うためソウルを訪問中というタイミングで行われた。両首脳は2月のベトナムに続く3回目の会談に前向きな姿勢を示しているが、下級レベルの協議や進展の兆しがないため、トランプ大統領は外交的成功のしるしとして、北朝鮮による兵器実験がないことに頼らざるを得ない状況だった。しかしそれも終わりを迎えた。

  北朝鮮はさらなる実験を行う可能性を示唆した。朝鮮中央通信(KCNA)は10日、金委員長が2回の兵器実験を実行した「防衛部隊の能力の一層の増強」を目指していると報道。9日の訓練について、金委員長が「朝鮮人民軍の防衛部隊の打撃訓練を指導した」と伝えた。

セールスポイント

  トランプ政権の国家安全保障会議(NSC)で北朝鮮政策に携わった経験を持つ新アメリカ安全保障センターのエリック・ブルーワー客員研究員は「最近の実験でトランプ大統領は難しい立場に置かれた。彼はミサイル実験や核実験が行われていないことを自分の外交努力の大きな成果とセールスポイントの一つとして複数回強調した」と指摘した。

  弾道ミサイル実験が国連決議で禁止されているにもかかわらず、違反について協議する国連安保理の開催を米政府が今週抑え込んだと安保理当局者2人が匿名を条件に明らかにした。

  韓国の当局者は先の実験を挑発行為ではないと重大視していない。日本政府は9日の発射を受け、排他的経済水域(EEZ)内への飛来は確認されていないと発表。核不拡散問題の専門家は兵器実験への抑制された反応が、金委員長にさらなる行動を促す危険があると述べており、そうした不安が2回目の実験でさらに強まった。

  韓国国防研究院のジナ・キム氏は「米国の反応が控えめなため、このレベルの実験が問題を引き起こすことはなく、実験を続けることができると北朝鮮は考えるのではないか」と分析した。

原題:North Korea Pushes Trump’s Boundaries With Latest Missile Tests(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE