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Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

止まらないNT倍率の上昇、日経平均で見えない日本株の深刻さ

  • 9日は13.8倍に上昇、輸送用機器の下落もTOPIXを押し下げ
  • 日銀ETF買い・海外勢売りがNT倍率の押し上げ要因-みずほ証
An employee looks at monitors at the Tokyo Stock Exchange (TSE), operated by Japan Exchange Group Inc. (JPX), in Tokyo, Japan, on Tuesday, May 7, 2019. Trading resumed Tuesday after a 10-day Golden Week holiday with a slew of news for investors to process.
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

東京株式市場では日経平均株価にTOPIXが劣後する状況が強まっている。世界景気への警戒から日本株全般が売られ、日経平均から見える「景色」と実体は異なっている。

  日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は9日に一時13.8倍まで上昇し、少なくとも2000年以降で最高値を更新した。米国と中国との通商摩擦激化への懸念が強いところに、トヨタ自動車やホンダ、いすゞ自動車といったTOPIX業種ウエート3位の輸送用機器で業績失望材料が相次ぎ、TOPIXの下げが大きくなっている。

需給要因が押し上げか

  みずほ証券投資情報部の中村克彦シニアテクニカルアナリストは「海外勢は日本株に対して昨年から戻り売り姿勢にある。米中摩擦を含めた世界景気への懸念がある中で、稼ぐ力を示すROE(株主資本利益率)の低さから日本株を評価しておらず、日本株全般を売り浴びせている」と指摘。ただ日経平均は「日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れに伴う一部品薄株の株券が足りなくなるなどトリッキーな動きが影響し、思ったほど下がらない」とNT倍率の上昇を分析している。

  足元では「4月以降に日経平均への寄与度が高い半導体や値がさ株が買われ、日経平均優位・TOPIX劣勢の流れとなった」ことも一因と同氏は付け加えた。

First Trading Day In Japan Following Golden Week Break

米中貿易協議への警戒感から下値模索が続く日本株

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  TOPIXは投資家の中期的な採算ラインである200日移動平均線を昨年10月以降に下回ったままで、今月8日には75日線も割り込んだ。これに対して日経平均は4月中旬から5月7日まで200日線を一時回復した。中村氏は「世間一般が見がちな日経平均は横ばいで見える景色は違うが、TOPIXが今の日本株を物語っている。TOPIXが2018年1月を起点としたダウントレンドにある以上、NT倍率の上昇はまだ続く」とみている。

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