コンテンツにスキップする

ソフトバンク株上場来最大の上昇、増益・増配へ-ヤフーも急騰

更新日時
  • 今期配当予想は前期比10円増の85円、配当性向は85%に
  • ヤフーは自社株消却やシナジー効果に期待広がる

ソフトバンクの孫正義氏

ソフトバンクの孫正義氏

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

ソフトバンクの孫正義氏
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

国内通信会社のソフトバンク株が大幅続伸し、今年最大の上昇率を記録した。今期(2020年3月期)の連結営業利益を前期比3.5%増の8900億円と計画し、増配も見込む。6月末までにヤフーを連結子会社化する。

  株価は一時、前日比8.3%高の1420円まで上昇。1月30日以来、およそ3カ月ぶりの高値を付けた。上昇率の大きさは昨年12月の株式上場以来で最大。

今期業績計画(前期比)

  • 売上高 4兆8000億円(+2.1%)
  • 営業利益 8900億円(+3.5%)
  • 純利益 4800億円(+3.0%)

  8日発表の決算資料によると、スマートフォン契約数の増加や法人事業の拡大などによる増収を想定。配当予想は前期比10円増配の85円、配当性向は85%とした。同日時点の予想配当利回りは6.5%と、競合するNTTドコモの5%を上回る。

  野村証券の増野大作アナリストはリポートで、「増配を計画している点はポジティブ」と評価。前期の携帯電話の加入者1人当たり収入(ARPU)の上振れも好印象とし、ドコモが予定する携帯料金値下げの影響もかなり少ないとの見方を示した。

  一方、ソフトバンクは電子商取引やモバイル決済事業で協業してきたヤフーとの関係を深めるため、ヤフーが行う新株発行による第三者割当増資を引き受ける。株式の追加取得額は4565億円で、所有割合は12%から45%に高まる。親会社のソフトバンクグループは、ヤフーが実施する自社株の公開買い付け(TOB)に応じ、所有割合36%に相当する5265億円を得る。

  ソフトバンクの宮内謙社長兼最高経営責任者(CEO)は会見で、「3ー5年以内には営業利益1兆円企業にしたい」と発言。ヤフーの連結化は、ソフトバンクの株主に「間違いなくプラスになる」との認識を示した。「兄弟と親子は違う」とし、子会社化でヤフーの収益を伸ばせば、ソフトバンクの利益にもなるとみている。

SoftBank's Blockbuster IPO Said to Hit Retail Sales Target

上場後初の通期決算となったソフトバンク

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ヤフーの株価も一時10%高の341円と急騰し昨年11月1日以来、半年ぶりの高値を更新。上昇率は同7月10日(13%)以来の大きさとなった。

  JPモルガン証券の森はるかアナリストはリポートで、ソフトバンクGから取得する自社株の大部分を速やかに消却予定と発表しており、「財務面では最大6%強のEPS(1株利益)押し上げ効果がもたらされる」と分析。クレディ・スイス証券の米島慶一アナリストもリポートで、ソフトバンクへの大株主一本化で株主構成が整理され、密な運営による「経営判断の迅速化が期待できよう」と指摘した。

  ソフトバンクは昨年12月に東京証券取引所1部に新規上場し、今回が初の通期決算だった。今年6月にはドコモが新料金プランを導入するほか、10月には楽天が移動体通信事業者(MNO)としてサービスを開始する予定で、市場では今後の料金値下げ競争の激化に対し懸念が根強い。

  同社は、自動運転を見据えたトヨタ自動車との合弁事業を強化するなど非通信事業の収益基盤を強化し、安定的な高配当の継続を目指す構えだ。高速大容量の第5世代通信規格(5G)に向けた対応も課題となっている。ソフトバンクの株価はこれまで、一度も公開価格の1500円を上回ったことがない。

ソフトバンクの1ー3月期実績

  • 売上高9696.5億円、市場予想9870.6億円
  • 営業利益845.1億円、市場予想943.3億円
  • 純利益348.8億円、市場予想430.8億円
(3段落以降に配当利回りデータやアナリスト見解を追記します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE