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大手商社各社:株主還元に積極姿勢、自己株取得や増配-業績の好調で

  • 三菱商は3000億円を上限に自己株式の取得を発表-増配も
  • 目標達成なら「今はやりの自己株式取得」-丸紅社長

総合商社5社の前期(2019年3月期)の連結決算が9日に出そろった。最高益更新が相次いだ中、唯一減益となった三井物産も含めた5社すべてが自己株式の取得や増配など株主還元を強化する方針を打ち出している。

  三菱商事の前期の純利益は前の期比5.5%増の5907億円と過去最高益を更新。3000億円、1億2000万株(発行済み株式の7.5%相当)を上限に自己株式を取得する計画のほか、前期の年間配当を1株当り125円と、前の期の実績比15円増額することを発表した。

  伊藤忠商事の前期の純利益は25%増の5005億円で最高益を更新した。同社が筆頭株主のユニー・ファミリーマートを連結子会社化したことなどが貢献した。前期の年間配当は期初計画の74円から83円に引き上げ、過去最高額となる。今期(20年3月期)の年間配当も85円を下限とし、増配を継続することを見込んでいる。

  三井物は子会社所有の米テキサス州の石油化学施設で火災が発生したことなどから、前期の純利益は会社予想を下回り、1%減の4142億円だった。前期の年間配当は10円増の80円。今期の純利益予想は8.6%増の4500億円とした。安永竜夫社長は9日の事業計画説明会で、「もっと企業価値や株価を意識した経営にしたい」と述べ、業績が上振れた場合には株主還元を強化する考えを示した。

  住友商事は、前期の純利益が3.9%増の3205億円と過去最高益を更新。前期の年間配当は75円と13円の増配となるほか、今期には設立100周年の記念配当10円の実施も含め年間配当が90円になるとの予想を示した。

  丸紅も前期の純利益が9.3%増の2309億円と、2年連続で過去最高益を更新した。前期の年間配当は3円増配の34円、今期はさらに1円増の35円を下限にするとの見通しを明らかにした。柿木真澄社長は決算発表会見で、ネットD/Eレシオ(純有利子負債比率)が0.8倍程度の目標に達した後に「今はやりの自己株式取得」を機動的に実施したいとコメントした。

会社名前期純利益実績
今期純利益予想
今期予想コンセンサス
(アナリスト人数)
三菱商5907億円(5.5%)6000億円(1.6%)6960億円(8人)
伊藤忠5005億円(25%)5000億円(▲0.1%)5069億円(9人)
三井物4142億円(▲1%)4500億円(8.6%)4479億円(9人)
住友商3205億円(3.9%)3400億円(6.1%)3366億円(9人)
丸紅2309億円(9.3%)2400億円(3.9%)2479億円(9人)
会社名18年3月期
配当額
前期配当額今期配当額
(予想)
今期配当性向
(予想)
三菱商110円125円125円32.0%
伊藤忠70円83円85円25.9%
三井物70円80円80円30.9%
住友商62円75円90円33.1%
丸紅31円34円35円25.8%
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