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【起債評価】長期化やリスク拡大せずに低金利時代しのぐー大樹生命

  • クレジットサイクルは最終局面、AT1債や海外社債で運用-浅原氏
  • 利回り1%必要、国内で投資できるのは銀行発行のAT1債だけ

大樹生命保険はクレジット投資では、国内社債のデュレーション(平均残存年限)長期化やリスク許容度拡大はせず、大手邦銀グループのAT1債(永久劣後債)や先進国で景気の影響を受けにくい企業の社債に投資する方針だ。

  市場では運用難が深刻化する中で、高い利回り商品を求める投資家需要に応えるように社債の多様化が進んでいる。アイフルは早ければ今月下旬に、日本初となるハイイールド公募債を起債する。武田薬品工業は相対的に利回りが高いハイブリッド債を最大5000億円規模で準備中。4月には日本最長の50年社債も登場した。
  
  だが、市場運用部の浅原大介チーフファンドマネージャーは、社債の運用利回りが低下し、極端に償還期間の長い社債や事業会社の劣後債、低格付け債が出現してくるのはクレジットサイクルが「最終局面」に近づいている兆しとみている。「そうしたものに対する超過需要が無理につくられた後でスプレッドが拡大し始めると相場が崩れる」と指摘し、超長期債や低格付け債には手を出さずにしのぐ方針という。

  2017年4月の予定利率の引き下げで、利回り0.6%程度あれば新規資金の一部で超長期国債を買えるようにはなったが、同社としては既存契約を含めると1%程度の投資利回りが必要。運用統括部の中村寛グループ長は国内で「投資できるものは銀行発行のAT1債しかない」と話す。

利回り1%超えるAT1債

  大樹生命では国内初のAT1債が登場した15年から購入している。利回りの高さに加えて、規制業種の銀行は事業会社よりも期限前償還(コール)の確度が高いのが理由だ。

海外は非金融優先

  一方、海外クレジットへの投資では非金融を優先しているという。投資対象は欧米や豪州など先進国の企業でBBB格以上。従来100%金融機関に投資してきたが、この2年間は分散を図っており、金融機関以外の企業に起債を働きかける取り組みをしてきた。ガス、電力、道路などのインフラや、食品、飲料、医薬品など景気が鈍化したときにも抵抗力があるポートフォリオを目指し、金融機関比率を4割弱まで引き下げた。

  同社では17年10月から外貨建て保険を親会社である日本生命の営業網でも販売しており、販売額に応じてオープン外債に投資している。外貨保険の運用では、銀行も含め社債は2割程度を占めている。残りは国債や国際機関債、政府系機関債などで運用している。

  これまでは豪ドル建てが売れていたが、金利が逆転し最近は米ドル建ての保険が売れ始めており、今後は米ドルの債券を中心に投資する見込みだ。

  円建て保険の外債運用ついては、為替ヘッジコストがマイナスのユーロ建て社債への投資が多くなっている。浅原氏は「スプレッドに対する妙味があるとは思わないが、ヘッジコストと合わせて考えると利回りが1%以上取れる」と語った。

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