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トヨタは3.3%営業増益、3000億円上限自己株取得

更新日時
  • 前期売上高が従来予想上回る-今期の業績予想は市場予想に届かず
  • 主力の北米市場の赤字幅縮小、日米貿易交渉の進展次第で不透明感も
A Toyota Motor Corp. logo on a Prius PHV is polished on May 9, 2018, .

A Toyota Motor Corp. logo on a Prius PHV is polished on May 9, 2018, .

Photographer: Kyodo News/Kyodo News Stills
A Toyota Motor Corp. logo on a Prius PHV is polished on May 9, 2018, .
Photographer: Kyodo News/Kyodo News Stills

トヨタ自動車は8日、今期(2020年3月期)の営業利益が前期比3.3%増の2兆5500億円になるとの見通しを示した。前期の連結売上高は初の30兆円の大台を突破したが、就任から10年を迎える豊田章男社長は会見で今後見込まれる業界の大変革を前にトヨタは危機感を持つべきだと訴えた。

Day Two Of The 89th Geneva International Motor Show

トヨタ車の展示(ジュネーブモーターショー)

Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg

  発表資料によると、今期の営業利益は原価改善や会計処理の変更などで改善を見込むものの為替が大きなマイナス要因となるとみている。売上高、純利益とともに市場予想の平均値を下回った。

  一方、前期実績は会社側の従来予想を上回る着地となった。特に売上高は30兆2257億円とトヨタとして初めて30兆円の大台を突破。都内で会見した豊田社長は自動運転や電動化などで事業環境の激変が見込まれる中でトヨタは大丈夫と思うことが最も危ないと戒め、「すべての変化に神経を研ぎ澄ませてそれに追随する企業体質を作らなければいけない」と述べた。

  トヨタは同日、3000億円、5000万株を上限に自己株式を取得することも発表した。取得期間は15日から9月30日まで。取得上限の株式数は発行済み株式総数の1.73%となるという。前期(19年3月期)の年間配当は前の期から横ばいの1株当たり220円とした。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは日米で販売台数が減少し研究開発費や減価償却費、人件費などの固定費が軒並み高騰している中、トヨタが前期に3%の営業増益や8%を超える営業利益率など「ホンダや日産など他社に比べると圧倒的に高い水準を維持し続けたことは評価に値する」とコメントした。

  トヨタ株は午後1時10分の決算発表を受けて、一時プラス圏に浮上。前日比1%安の6759円で取引を終えた。

トヨタ決算の要旨
今期見通しは市場予想平均を下回る
  • 売上高:前期比0.7%減の30兆円(市場予想30兆4302億円)
  • 営業利益:同3.3%増の2兆5500億円(同2兆6339億円)
  • 純利益:同20%増の2兆2500億円(同2兆3624億円)
1-3月実績
  • 売上高:7兆7501億円(市場予想7兆4976億円)
  • 営業利益:5295億円(同5687億円)
  • 純利益:4595億円(同5339億円)
今期の主な計画値
  • 連結世界販売台数:900万台(前期897.7万台)
  • グループ世界販売台数:1074万台(同1060万台)
  • 設備投資費:1兆4500億円(同1兆4658億円)
  • 研究開発費:1兆1000億円(同1兆488億円)
為替レート:1ドル=110円(前期実績比1円円高)、1ユーロ=125円(同3円円高)

    
  トヨタではドルやユーロ以外の通貨を中心に今期、為替の変動が営業利益を1700億円程度押し下げるとみている。為替相場は年初に一時1ドル=104円台をつけて以降、円安方向に戻して来ているが、今後は米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題など外的な変動リスクが控えている。日米政府間では通貨安の誘導を制限する「為替条項」問題も火種となる可能性がある。

  主力の北米市場の今期販売台数は減少を見込む。1-3月期の同地域の営業損益は145億円の赤字となった。前年同期に比べて赤字幅は縮小したものの、4472億円の黒字だった国内への依存の構図は変わっていない。小林耕士副社長は米国市場では「21年ぐらいには利益率を8%に持って行きたい」と話した。

  トランプ政権発足以来、対日貿易赤字削減に意欲を示す米政府は自動車をやり玉に挙げてきた。日本側は自動車メーカーによる米経済への貢献を説明し、対米投資を増加させることで衝突を回避しようとしている。トヨタも3月、21年末までの5年間の対米投資額を130億ドル(約1兆4500億円)近くに引き上げると表明したが、トランプ氏が追加関税の適用や数量規制に踏み切るとの懸念は消えていない。

(豊田社長の会見での発言などを追加して更新します.)
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