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Photographer: Michael Fein/

ハーバードの寄付基金、ヘッジファンド投資倍増-CEOが組織刷新

  • 他の機関投資家のヘッジファンド離れが進む中で逆行する賭け
  • ナーベカーCEO、長年の運用不振からの脱却目指す
Harvard University pennants sit on sale at the Harvard Cooperative Society in Cambridge, Massachusetts, U.S.
Photographer: Michael Fein/

ハーバード大学の寄付基金、ハーバード・マネジメントのN・P・ナーべカー最高経営責任者(CEO)は、流行遅れの感のある投資を倍増させている。ヘッジファンド投資だ。

  同大は390億ドル(約4兆3200億円)規模の寄付基金の運用を改善させようと2016年にナーベカー氏を採用したが、それ以降にヘッジファンド投資は最大規模となった。同大の提出書類によると、高等教育機関として最大規模の同基金のヘッジファンド投資は6月までの2年間にほぼ倍増し、現在は130億ドルと寄付基金の3分の1を占める。これに対し、イエール大学やプリンストン大学では約4分の1にとどまっている。

  長期にわたる強気相場は指数連動型の低コスト投資に味方し、ヘッジファンドは何年もまだら模様で芳しくない運用成績に苦しんだ。ヘッジファンドは通常、運用資産の2%と投資収益の20%を報酬として徴収するため、これにも多くの機関投資家は不満を募らせた。コンサルティング会社NEPCの先月の調査によると、米国の寄付基金や財団の約3分の1は今年、ヘッジファンドへの投資配分を減らす見込み。

  ナーベカー氏はこうした動きに逆行し、同業を上回る運用成績の実現に向け、株式相場が下落する場合に奏功する可能性のある賭けに出ているようだ。フォード財団の元投資調査責任者、ローレンス・シーゲル氏は「彼は次の相場サイクルをにらんでポートフォリオのポジションを取ろうとしている。優れた運用者なら誰でもそうすべきだ」 と語った。

  こうした動きはハーバード・マネジメントの組織見直しの一環。ナーベカー氏はCEOとしての採用後、事業の合理化を進め、ヘッジファンド戦略を利用するトレーディングデスクを整理。不動産チームを外部委託し、森林や農業関連の資産を償却した。100人を削減した一方で、ハーバード大に移籍前に11年間勤務したコロンビア大学などでの元同僚を採用し事業の刷新を図っている。

  ハーバード大の基金は主要な寄付基金の中では珍しく、多くの資金を内部で運用管理していた。ポートフォリオマネジャーの一部は多額の報酬を得ることが可能で、ある意味、内部でヘッジファンドを運用しているようなものだった。

  そのハーバード大基金がここにきて、運用成績好調なデービッド・スウェンセン氏率いるイエール大学のモデルを踏襲し、最良の外部マネーマネジャーの採用に集中。既存のヘッジファンドポートフォリオを掘り起こし、トップパフォーマーにより多くの資金を配分しつつ、ベテランあるいは新興のスター運用者を追いかけている。

  ナーベカー氏は広報担当者を通じ、取材には応じなかった。ハーバード大の基金の昨年6月末までの1年間の運用成績はプラス10%と、「アイビーリーグ」と呼ばれる米東部名門私立大の中でコロンビア大を除く全てを下回った。同月末までの10年では年平均4.5%と、最下位。コロンビア大は8%と、トップの一角を占めた。

Ivy Bets

Harvard, Columbia endowments have biggest percentage invested in hedge funds

Source: Universities

Note: as of June 30, 2018; Cornell was unavailable

原題:Harvard Piles Into Hedge Funds as New Chief Overhauls Endowment(抜粋)

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