コンテンツにスキップする

安倍首相、貿易協定の早期妥結へ交渉加速でトランプ大統領と一致

更新日時
  • トランプ大統領は農産物の撤廃を要求、5月中の合意に意欲
  • 首脳会談で為替条項、自動車数量規制、サービス交渉の要求出ず

欧米歴訪中の安倍晋三首相は26日ワシントン入りし、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談、日米貿易協定交渉や北朝鮮の非核化などを協議した。貿易交渉では早期の成果達成に向け、議論を加速させることで一致した。トランプ大統領は農業関税の撤廃を求めた。

  会談後記者会見した安倍首相は「昨年9月の共同声明に沿って両国にとって利益となるよう茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表の間の交渉を加速していくことで一致した」と語った。さらに「日米経済関係は貿易不均衡もあるが、同時に日本は自動車産業を含めてさまざまな投資を行い、多くの雇用を作っている点については理解していただいていると思う」と日本の貢献を説明した。

  会談の冒頭トランプ大統領は「日本は農産物に極めて多くの関税を課しており、われわれはこうした関税を取り除きたい」と発言するとともに、「交渉は迅速に進んでいる」とし、協定を「次の日本訪問までに結べるかもしれない」と5月中の合意への期待を表明した。安倍首相は農産物への米側の要求について会見では言及しなかった。

President Trump Hosts Japanese Prime Minister Abe At The White House

安倍首相とトランプ大統領(26日、ホワイトハウスで)

Photographer: Shawn Thew/Pool via Bloomberg

  首脳会談に続き、貿易交渉責任者の茂木再生相と為替問題を担当する麻生太郎財務相らが加わった会合も開かれ、貿易交渉のほか、幅広い議題について米側と協議した。

  茂木再生相は会談後記者団に、トランプ大統領の5月にも協定妥結の発言について、「順調に進んでいるのだからできるだけ迅速にとの期待感を述べたものだと理解している」と説明、「私とライトハイザー代表との協議ではいつまでに合意を目指すといった話は出ていない」と述べた。同再生相によると、首脳会談では為替条項、自動車の数量規制、サービス分野の交渉の要求はなかった。

  また、トランプ大統領が要求した農産物の関税撤廃について茂木再生相は、環太平洋連携協定(TPP)の水準を上回る具体的な要求の話は全く出なかったと指摘した。首脳会談では対日貿易赤字削減を要求しているトランプ大統領が自動車関税を巡り、「米国は日本からの自動車輸入に関税を課していない」と述べたのに対して、安倍首相が米国車に日本は関税を課していないが、米国は日本車に2.5%の関税を課していると反論する一幕もあった。

  米国が協定本文に盛り込むことを求めている通貨安誘導を禁じる為替条項を巡っては、麻生財務相がムニューシン米財務長官との25日の協議で反対の立場を表明。今後の扱いについては財務相間で議論していくことを確認した。財務省幹部は会談後、農業や自動車、サービスなどの協議が先行し、為替はその後になるだろうとの見方を示した。

閣僚級による日米貿易交渉の記事はこちらをご覧下さい

  安倍首相とトランプ大統領の会談は昨年11月以来、通算10回目。トランプ大統領は5月下旬にも新天皇即位後初の国賓として訪日するほか、6月の20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)でも日本を訪れ、3カ月連続で首脳会談が実現する予定。

  今回の首脳会談ではこのほか、2月末の米朝会談決裂以降非核化で膠着(こうちゃく)状態が続く北朝鮮を巡る最新の動向を巡り、緊密に連携していくことを確認、安倍首相は「日本としても朝鮮半島の非核化に向けて、積極的な役割を果たしていく決意だ」と語った。拉致問題ではトランプ大統領が「全面的に協力する」と約束した。貿易、デジタル経済、プラスチックゴミ、インフラ投資など大阪サミットで取り上げる主要論点の合意形成に向けた連携などについても協議した。

  安倍首相は同日夜、トランプ大統領のメラニア夫人の誕生日を祝うため非公式夕食会に出席。27日にはトランプ大統領とゴルフをプレーする。その後カナダも訪問する。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE