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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

任天堂株が3カ月ぶり下落率、スイッチと営業益計画が市場予想下回る

  • スイッチ新型機は6月のE3では発表せず、配当は増額
  • 古川社長は中国展開に意欲、「アジアを日米欧に次ぐ市場に」
Nintendo Unveils Virtual Reality Cardboard Headset for Switch
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

任天堂株が3カ月ぶりの下落率となった。25日に発表した今期(2020年3月期)の連結営業利益は、前期比4.1%増の2600億円となり、市場予想を下回った。

  株価は一時、前日比5.1%安の3万6530円と2月6日以来の下落率となった。9時8分現在は同3.9%安。

  25日の発表によると、家庭用ゲーム機「スイッチ」本体の販売目標を1800万台(前期は1695万台)、ソフトは1億2500万本(同1億1855万本)とした。ブルームバーグがまとめたアナリスト11人の本体販売見通しの平均は1850万台だった。

今期計画

  • 営業利益予想2600億円、市場予想3501.5億円
  • 純利益予想1800億円、市場予想2570.9億円
  • 売上高予想1.25兆円、市場予想1.36兆円

  前提為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=120円。19年3月末を基準とする配当金は1株当たり640円と昨年10月時点の予想(520円)から増額された。

  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、今期の見通しが「保守的」だと分析。中国展開やスイッチの新型機に具体的な進展がなく、株価には「若干ネガティブ」との見方を示した。

  古川俊太郎社長は中国展開に意欲を示し、「中国市場は大きく魅力のあるマーケット。中長期的には中国を含むアジア市場を日米欧に次ぐ市場に成長させたい」と発言。ただ中国のゲーム専用機の市場は小さく「そう簡単ではない」とも述べた。

  提携するテンセント・ホールディングス(騰訊)については現地に基盤を持ち、「ビジネス展開の最大化を図れる」と話した。

  中国当局はテンセントを通じてスイッチを販売することを認めた。任天堂も26日、テンセントとスイッチの中国発売に向けて取り組んでいると改めて発表した。

  ただ古川社長は現時点での申請はスイッチ本体にとどまり、今後ソフトの申請が必要になるため「発売時期は未定」とした。業績予想にも中国ビジネスは含まれていない。

Nintendo Unveils Virtual Reality Cardboard Headset for Switch

スイッチは発売3年目に入った

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  据え置き機と携帯機の両方の遊び方を可能にしたスイッチは発売3年目に入った。熱心な任天堂ファンだけではなく、幅広い層に顧客を広げることが課題。スイッチに加え、スマートフォン向けゲームからの収益増加も狙う。

  4月にはスイッチと組み合わせて遊ぶ段ボール製工作キット「ニンテンドーラボ」で仮想現実(VR)機能を使える新作を発売。今後は「ポケットモンスター」や「どうぶつの森」最新作など人気ゲームの発売を控える。

  また、事情に詳しい関係者2人が匿名を条件に明らかにしたところ、任天堂は現在のスイッチより価格が安い廉価版モデルを発売する見通し。そのうち1人によれば、発売時期は6月末までになる見通しだ。複数の関係者によると、現行のスイッチもやや改善されるが、より高性能な新型の発売準備は進んでいない。

  ただ古川社長は新型機について、6月に開催される米ゲーム見本市「E3」での発表予定はないと述べた。

  今期はゲーム業界を取り巻く環境が大きく変化する可能性がある。米アップルは今秋に定額制のゲームサービス「アップルアーケード」を、米グーグルは年内にクラウド経由でゲームを配信する「スタディア」を始める。据え置き型ゲーム機を販売するソニーや米マイクロソフト以外にも強力なライバルが増える。

1-3月期

  • 営業利益296.7億円、市場予想360.2億円
  • 純利益252.2億円、市場予想243.8億円
  • 売上高2032.7億円、市場予想2377.1億円
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