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Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

過去最長のゴールデンウイーク、景気の基調見極めが一段と困難に

  • 10連休による経済効果は2兆1395億円と関西大・宮本名誉教授
  • 経済全体では連休が景気下押しする要因がより強い-ニッセイ基礎研
Pedestrians cross an intersection in the Shibuya district of Tokyo, Japan, on Monday, March 18, 2019. Japan's key inflation gauge crept fractionally lower, before a bigger downturn likely later this year that will further slow the Bank of Japan's long journey to its price target.
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

「令和」への改元を挟んだ過去最長の10連休が週末から始まる。景気にプラスとマイナスの影響が交錯することで基調の見極めが一段と難しくなり、政策担当者の頭を悩ませることになりそうだ。

  JTBはゴールデンウイーク(4月25日~5月5日)に1泊以上の旅行に出かける人が国内、海外ともに過去最高となり、合計で前年比1.2%増の2467万人に達すると見込む。サービス業界は、令和と平成をまたぐ挙式プランの売り出しや、新元号の初日の出と富士山を観賞するフライトツアーなど商機を生かそうと盛り上がる。

今年のGWの旅行者数は過去最高へ

出所:JTBの推計

  関西大学の宮本勝浩名誉教授は10連休による経済効果を2兆1395億円と試算し、「日本経済に与える影響は非常に大きい」との見方を示す。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは過去の家計調査の結果を分析し、祝日に消費は平均して約18%押し上げられると推計する。

  ただ、全てがバラ色ということでもない。トヨタ自動車を含む製造業の多くは連休中、工場の稼働を停止する。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は、生産活動が弱まる中で経済全体でみると連休が景気を下押しする要因がより強いとみる。

  宮本名誉教授も「非正規労働者にとっては休日が増えることで収入減になる可能性があること、また、子供を保育施設に預けている親や通院患者にとっては、生活にマイナスの影響が出る可能性があることも忘れてはならない」と指摘する。

  菅義偉官房長官は24日の会見で、「旅行関連消費を押し上げる可能性は極めて高い」としながらも、「経済全体への効果を現時点で一概に申し上げるのは困難。個人消費はじめ経済への影響をしっかり見極めたい」との認識を示した。

  10月に8%から10%への消費増税を控えて経済データの重要性が増す中、今年のゴールデンウイークが景気の基調をさらに見えにくくするという点では、エコノミストたちの見方が一致している。安倍晋三首相の側近である自民党の萩生田光一幹事長代行が先週、今後の経済情勢次第で増税延期もあり得るとの認識を示したことから、金融市場は安倍政権下で過去2回行われた増税延期の可能性を意識し始めている。

  昨年は天候、災害、中国の春節などに影響され、日本の国内総生産(GDP)はプラス成長とマイナス成長を交互に繰り返した。2019年1-3月期はマイナス成長の可能性が高いとみるエコノミストが過半数を占める。GDPなどの主要指標の結果次第では、消費増税を含む財政、金融政策に影響が及ぶ可能性があり、景気の見極めがより重要になる局面に入っていく。

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