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Photographer: Kiyoshi Ota

個人が対ドルで最大級の円買い越し、大型連休中の円急騰リスク緩和か

  • 通常よりドル・円ショート増えていること違いない-外為どっとコム
  • トルコ・リラなどクロス円の急落リスク残る
Japanese yen banknotes of various denominations are arranged for a photograph in Tokyo, Japan.
Photographer: Kiyoshi Ota

個人投資家の対ドルでの円買い越しが過去最大級に膨らんでいる。外国為替市場では、異例の大型連休を前に年初のようなフラッシュクラッシュ(瞬間急落)への警戒感がくすぶるが、少なくともドル・円相場については急落リスクは小さいとの見方が出ている。

  東京金融取引所の外国為替証拠金取引(FX)データによると、個人投資家の対ドルでの円の買い越しは23日時点で20.9万枚と、データがさかのぼれる2006年7月以降で最大だった4月17日(22.3万枚)に迫る高水準。一方、高金利通貨のトルコ・リラに対しては29.2万枚と大規模な円の売り越しが恒常化している。

  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、店頭FXも含めるとドル・円のポジションはよりきっ抗している可能性があるものの、「通常よりショート(ドル売り・円買い)が増えていることに違いはない」と指摘。年初のフラッシュクラッシュ時のように「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が下落することでドル・円まで5円、6円と急落するような展開にはなりにくい」と予想する。

個人投資家は対ドルで円ロングを積み増し

  JFXの小林芳彦代表取締役も、「ドル・円をショートにしている人たちは、マーケットが薄い中でドル・円が急落した1月3日の件があるからで、ゴールデンウィークが明けてしまえば上を狙うと思う」と予想。また、ドル・円が下がれば国内機関投資家など「ドルを買いたい人が待っている」とし、「ドル・円の下値リスクは20%もないのではないか」と語る。

  連休中は、相場変動のきっかけとなりそうな海外の主要経済指標やイベントが目白押しだ。ドル・円が急落した1月3日のフラッシュクラッシュは米アップルの売上高予想引き下げをきっかけに世界経済に対する懸念が広がったことが背景だったが、そのアップルの決算発表は日本時間5月1日早朝に予定されている。また、期間中は5月1日のレーバーデー(英米以外のアジア・欧州)や6日の英国のバンクホリデーなど海外でも祝日が多く、市場の流動性が大幅に低下する。

連休中の主な予定

イベント経済指標
4月28日スペイン総選挙
4月30日北京で米中閣僚級通商協議が再開
米アップルが決算発表(日本時間5月1日午前5時半)
中国:4月の製造業PMI
ユーロ圏:1-3月GDP
5月1日FOMCが声明文発表、パウエルFRB議長が会見(日本時間2日早朝)米国:4月のISM製造業指数
5月3日米国:4月の雇用統計、ISM非製造業指数
ユーロ圏:4月のCPI
トルコ:4月のCPI

  
  トルコ・リラは、政策金利が24%という金利水準の高さから個人の人気が根強いが、ロシア製ミサイルシステム導入による対米関係悪化や外貨準備を巡る懸念などから投機的な売りの標的になりやすい。トルコ・リラに次いで人気の南アフリカ・ランドも、国営電力会社エスコムの債務問題に対する懸念が再燃している。

高金利がお好き

個人投資家は高金利通貨ロング

Sources: Tokyo Financial Exchange

  1月3日のフラッシュクラッシュでは、流動性が低くなる日本時間早朝に個人投資家が高水準にあったリラ買い・円売りポジションの解消を余儀なくされ、リラ・円が瞬間的に9%も急落した。外為どっとコム総研の神田氏は、「顧客のポジション状況を見ても、トルコ・リラは9割以上がロングという状況は変わっておらず、こうした人たちのストップが巻き込まれる形で、クロス円が早朝に急落するリスクは残っている」と指摘。クロス円とともにドル・円も急落する「1月3日のようなフラッシュクラッシュの再来にはなりにくいが、局所的なショックが起きる可能性は十分ある」とみている。

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