コンテンツにスキップする
Photographer: Kuni Takahashi

気候変動による影響は最大400億円、今後30年を三井住友Fが試算

  • 国内融資先企業について分析、三井住友銀への財務影響は限定的
  • TCFDが開示を推奨する「移行リスク」についても今後試算へ
Vehicles sit in traffic on a road shrouded in haze in New Delhi, India, on Monday, Jan. 20, 2014. India, China and Brazil, three of the largest developing nations, joined the U.S. in a list of the biggest historical contributors to global warming, according to a study by researchers in Canada.
Photographer: Kuni Takahashi

三井住友フィナンシャルグループは、気候変動が同社の業績に与える影響を分析し、国内の融資先企業を対象とした自然災害がもたらすリスクとして、今後30年で最大400億円程度の与信費用が生じるとの試算結果をまとめた。週内にも公表する。

  ブルームバーグの取材に応じたサステナビリティ推進室の末広孝信室長によると、傘下の三井住友銀行は気候変動に起因する自然災害の大部分を占める水害が融資先に与える影響を分析。その結果、担保価値の毀損(きそん)や融資先の財務状況悪化などに応じて引当金を積み増すことで、2050年までの与信関係費用の増加額は累計で300億ー400億円程度の試算となった。

  単年度平均では10億円程度の追加費用にとどまることから、同行の財務に与える影響は限定的としている。

  主要国・地域の中央銀行や監督当局で構成する金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)は、投資判断の材料となる気候変動リスクなどが財務に及ぼす影響について企業に情報開示を求めている。

  末広氏によると具体的な財務数値を分析プロセスと共に開示するのは銀行としては世界初。分析手法を明らかにすることでTCFDに賛同する他企業が財務上の影響を把握しやすくなり、「議論の深まりが期待できる」と述べた。

  今回の試算は、TCFDが開示を推奨する項目のうち「物理的リスク」にあたるもの。同行は今後、低炭素社会への移行の影響で資産価値が下落する「移行リスク」についても分析する予定。

  三井住友Fは、18年10月に持続可能社会の実現に向けた「サステナビリティ推進委員会」を設置。気候変動関連ビジネスの市場規模拡大を見据えて、再生可能エネルギー向けファイナンスで約5200億円を18年度に組成した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE