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トランプ政権の貿易戦争、壊血病との闘いのようなもの-CEA委員長

  • 短期の経済的痛みは苦い治療薬とみなすべきだとハセット委員長
  • 「壊血病になってビタミンCを摂取しなければ死んでしまうだろう」
トランプ大統領

トランプ大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
トランプ大統領
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

トランプ米政権による貿易戦争の悪影響に不満を抱く人々に対し、政権の首席エコノミストは新たな例え話を示してみせた。それは米経済について、壊血病の発生と闘っている18世紀の軍艦と考え、関税など通商上の武器を壊血病治療に必要な酸味の強いレモンと見なせばよいというものだ。

  大統領経済諮問委員会(CEA)のハセット委員長は「壊血病になってビタミンCを摂取しなければ死んでしまうだろう。しかし、ビタミンCで常に治るわけではないかもしれない。治るかもしれない。あなたにビタミンCを与えれば、私は不確実性を高めることになるだろうか。以前ならあなたは死を覚悟しただろうが、今はそうでない」と語った。

  ハセット委員長の発言の趣旨は、トランプ大統領が行っているのは病気となった米経済の治療だというものだ。中国やメキシコといった経済的な競争相手や貿易相手国に対し、米国を不利な立場に置く悲惨な通商協定の重圧の下で、米経済はあまりにも長期間、苦しんできたというわけだ。

White House Council Of Economic Advisors Kevin Hassett Interview

ハセットCEA委員長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  だがこの主張は、2020年の大統領選再選を目指し、トランプ氏が自身の経済政策の柱の1つを巡って直面する一段と広範な疑問にも関わっている。トランプ政権の通商政策が招いた経済的混乱が結局、それだけの価値があるのか、そして米経済へのコスト増大の証拠にもかかわらず、前向きな影響を裏付けるものがあるのか、有権者は問い掛けることになるだろう。

  ハセット委員長は先週、ブルームバーグとのインタビューで、壊血病の例え話を紹介した。その数時間前には、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる通商協定として、トランプ政権が取りまとめた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の経済効果を巡り、米国際貿易委員会(ITC)が独自の評価を正式発表したばかりだった。

  ITCの主要な調査結果は、トランプ大統領が政治集会で自賛するような内容ではなかった。ITCのエコノミストの推計では、発効6年後のUSMCAの国内総生産(GDP)押し上げ効果は0.35%(682億ドル=約7兆6200億円)で、雇用創出効果は17万6000人分という。また、米国の自動車市場にとっては、価格上昇と販売減、自動車関連雇用の減少という、あまり楽観的でない見通しが示された。

Lowest Since the Financial Crisis

The IMF cut its outlook for 2019 global growth to 3.3 percent

Source: International Monetary Fund

原題:Trump’s Top Economist Sees Trade Wars Like Battle Against Scurvy(抜粋)

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