コンテンツにスキップする

パリへようこそ、ロンドンからの転入者をフランス人が異例の歓迎

  • EBAは6月3日にパリの高層ビル、ユーロプラザに移転
  • スタッフはパリを楽しむ方法すぐに見つけるだろう-EBA幹部
The Grande Arche de La Defense in the business district of Paris.

 

The Grande Arche de La Defense in the business district of Paris.

 

Photographer: Christophe Morin/Bloomberg
The Grande Arche de La Defense in the business district of Paris.

 
Photographer: Christophe Morin/Bloomberg

パリ郊外のラ・デファンスにある高層ビル、ユーロプラザの24階から27階のオフィスでは、欧州銀行監督機構(EBA)を迎える準備が進んでいる。終わりがないように見える英国の欧州連合(EU)離脱交渉の紆余(うよ)曲折を気にせず作業は進む。

  欧州の銀行に対するストレステスト(健全性審査)を実施するEBAは6月3日に、200人体制でパリでの業務を開始する。英国がいつEUを離脱するかにかかわらず、同日をもって8年間本拠としていたロンドンを去る。

  「ロンドンにいた時と同じように業務を続ける」と、エグゼクティブ・ディレクターのアダム・ファーカス氏がインタビューで述べた。「スタッフはロンドンが提供するあれこれを享受した。パリを楽しむ方法もすぐに見つけると思う」と語った。

  パリはフランクフルト、ダブリン、マドリード、アムステルダムと競い合った末、EBAを招致しEUの金融の中心となることに成功した。パリでは肉屋から美容院、学校までが政府といっしょになって転入者らを歓迎しようとしている。移住者や旅行者らに対してあまり親切でない印象のあるパリに、目に見えない微妙な変化が生まれている。

  例えば、フランスは世界でトップの観光地でありながらドイツやオランダと違い市民らは英語を話したがらなかったが、これも変わりつつある。

Paris Strives to Welcome London's Brexiles

ローラン・デュモン氏

写真家:Christophe Morin / Bloomberg

  ローラン・デュモン氏はパリのおしゃれな5区で妻のナタリーさんと肉屋、ブーシェリー・デザレーヌを営む。このごろは「Porc Noir de Bigorre(ビゴール種の黒豚)」や「Boeuf de race Parthenaise(パルトネーズ種の牛肉)」を慣れない英語で買い物客に説明しようと奮闘中だ。

  「英語を話すお客が増えている」とナタリーさんは語る。「フランス語を話そうとさえせず、最初から英語で話し始めるので、適応しなければならなかった」という。現在、従業員の英語力の向上に取り組んでいるという。

  パリ8区で美容院を開いているフローレンス・シャルレ氏も同じだ。「英語を話さなければならないことが増えた」と語る同氏によると、今では英語を話すことが美容師を採用するときの「必須」の条件だという。

Paris Strives to Welcome London's Brexiles

フローレンス・シャルレ氏

写真家:Christophe Morin / Bloomberg

  また、ラ・デファンス近郊のクールブボワにあるリュシー・オブラック校の校長、ヴァレリー・フィカラ氏は、9月の新学期からフランスで学ぶ子供たちの親から1日に30本の問い合わせの電話を受けていると述べた。ビザと在留許可の取得など家族の引っ越しを助けるフランス・グローバル・リロケーションも仕事が増えているという。

  HSBCホールディングスは1000人、バンク・オブ・アメリカ(BofA)は400人をパリに移すとしている。そのほか、ウェルズ・ファーゴJPモルガン・チェースの行員らもパリにやってくる。ただ、ロンドンからの異動の動きは当初予想されたよりはるかに小規模だ。

Paris Strives to Welcome London's Brexiles

パリのユーロプラザ

写真家:Christophe Morin / Bloomberg

原題:They’ll Always Have Paris: Capital Aims to Charm London Brexiles(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE