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Photographer: Thomas Trutschel/Photothek

主要生保は海外クレジット物で収益確保、円高ならオープン外債へ

更新日時
BERLIN, GERMANY - JULY 02: In this Photo Illustration japanese Yen bank notes, official currency of Japan, lie on a table on August 02, 2016, in Berlin, Germany. (Photo Illustration by Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images)
Photographer: Thomas Trutschel/Photothek

主要な生命保険会社の2019年度運用計画が出そろった。国内低金利の継続や為替ヘッジコストの高止まりから、信用リスクの対価として高めの利回りを得られる内外社債などクレジット投資に軸足を移す動きがみられる。円高が進行した局面ではヘッジなしのオープン外債を積み増す意向も示している。

  明治安田生命は、米モーゲージ債やメガバンクが海外で発行したTLAC(総損失吸収力)シニア債、スウェーデンやカナダの社債投資など、通貨分散も図りながら年度末までに海外クレジット資産を2500億円積み増す方針。住友生命は今年度、米欧中心に格付けA格以上の銘柄を対象に為替ヘッジ付き外貨建て事業債を積み増すほか、一部は提携先米運用会社を通じてバンクローンにも振り向ける。

  国内金利の低迷が長引く中、生保各社は保険契約者に約束した運用利回りを確保するために外債への投資を進めてきた。ただ、世界経済の減速を背景に米欧の金利が低下する一方で、為替ヘッジコストは高止まっており、米国債など安全性が高い債券で必要な収益をまかなうのは一段と難しくなっている。

  日本生命は今年度、米国などの国債を売却し、より高い利回りを得られる社債やプロジェクトファイナンスなどへの入れ替えを図る。

オープン外債

  今年度の運用計画では、主要4社とも円・ドル相場の想定レンジ上限を1ドル=100円と設定。円高進行時にヘッジなしで米国債などを買い入れる機会をうかがう。円を元手とした資産運用に加え、為替リスクを取る外貨建て保険の販売が伸びていることも、オープン外債投資が増える要因となっている。

  日生の岡本慎一理事財務企画部長は22日の記者説明で、オープン外債の残高増が「金利・為替次第で数千億円になる可能性もある」と指摘した。

  明治安田と住生もオープン外債を積み増す方針。第一生命は国内外の金利動向を踏まえ、ヘッジ外債の残高を機動的に調整する。住生の藤村俊雄運用企画部長は23日の記者説明で、オープン外債は円相場が対ドルで110円より円高水準になれば機動的に資金を投入するとしつつ、「できるだけドルが安い局面で買いたいのは確かだ」と話した。

  かんぽ生命は、今年度は保険料と債券の償還資金を合わせた運用原資1兆円程度の半分以下をヘッジ外債とオルタナティブ投資に配分して残高を増やす計画だ。昨年度に始めた海外クレジット資産の自家運用を拡大し、ヘッジ外債は米国の社債を中心に積み上げる。

  同社の浅井重明運用企画部長は24日の記者説明で、オープン外債の残高は横ばいとする計画だが、想定レンジ(対ドルでは100-115円)の上限を超える辺りまで円高が進めば機動的に投資する考えと述べた。

【2019年度の運用計画一覧】

単位:
億円
国内債外債ヘッジ
外債
オープン
外債
国内株等新規成長・
オルタナ
かんぽ減少増加横ばい横ばい増加
日本横ばい
~増加
横ばい
~減少
増加横ばい増加
第一減少金利水準
次第
為替水準
次第
減少増加
明安やや増加増加やや増加やや減少
住友増加増加増加増加増加
(第8、9段落を追加して更新します.)
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