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Photographer: Qilai Shen/

10連休明けの株安リスク―機関投資家にプット買いや先物売りの動きも

  • USTR代表や米財務長官が北京訪問、中国との貿易協議に臨む
  • FOMC後に米金利低下して円高進めば日本株の脅威に
Travelers wait at airline check-in counters at Shanghai Hongqiao Airport in Shanghai, China, on Tuesday, Sept. 29, 2015. Japan and Korea are among countries to benefit from Chinese tourist spending during the upcoming Oct. 1-7 holidays known as Golden Week, taking market share away from Hong Kong, analysts say.
Photographer: Qilai Shen/

10連休を控えて株式市場には相次ぐ海外イベントへの緊張感が高まっている。今年のゴールデンウィーク(GW)は新天皇の即位に伴う祝日を含めた4月27日から5月6日まで。東証は注意を促して前後の売買監視を徹底する方針だ。国内の機関投資家はなすすべのない休場にどう備えるのか、直前の対応を聞いた。

  株式などの持ち高を減らしてリスクに備えると話すのはアストマックス投信投資顧問。山田拓也執行役員・運用部門長は「ポジションを柔軟に動かせるファンドは通常よりリスク量を落としたい」という。連休明けの株価下落に備えて「プットオプションを買ったり、先物で少し売ったり、現物株を減らして現金で持ったりする」方針だ。26日まで相場を見ながらぎりぎりの調整を行う。

  セゾン投信は10連休前に、運用ファンドのポートフォリオを目標比率に合わせてニュートラル化する方針。瀬下哲雄運用部長は「持ち高を減らす対応もリスク」とみており、海外株は下落だけでなく「大幅に上昇する可能性もあることから、中立にせざるを得ない」と話す。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、「どのようなリスクを避けるべきか」という観点でファンドは動くという。特殊な要因がない限り連休中のイベントなどを勘案してリスクを抑えめにする。特定の銘柄にかけるのではなく、なるべくTOPIXなどベンチマークから離れないようなポジションを取るのが基本線と語った。

<GW中に予定される主な経済指標>

米国中国
4月30日米連邦公開市場委員会(FOMC)~1日製造業購買担当者指数(PMI)
米中貿易協議が北京で開始
5月1日供給管理協会(ISM)製造業景況指数
  2日財新製造業PMI
  3日雇用統計

  
  相次ぐ海外経済指標が市場を揺らし、一気に連休明けの日本市場に影響が出ることに警戒が高まる。セゾン投信の瀬下氏は米国と中国の景気が同時に悪化することを一番のリスクと捉えるのに加え、米中貿易協議の行方でも「いまは両国が妥結するとして楽観視されているが、最終合意が確認されるまで気は抜けない」と話す。アストマックス投信の山田氏は、「経済指標の数値が市場コンセンサスを明らかに乖離(かいり)するならバタつくことは仕方ないが、むしろカレンダーにないニュースでセンチメントの方向性が変わる不安がある」と語る。

  三菱UFJ国際投信の石金氏は、米中協議については小康状態を予想する。連休中も注視する必要はあるが、両者にらみ合いの中、構造的な問題は未解決のため短期的にはネガティブでないと話す。半面、石金氏は、連休中に企業業績の重荷になる円高に向かえば連休後の株式市場のリスク要因になり得るとみる。仮にFOMCの政策決定後に、2%のインフレ目標を巡る思惑から米金利の低下基調が強まれば、円買いドル売りの動きが広がりそうだと述べた。

  連休明けは元号が令和に変わり株式市場は新しい時代を迎える。海外で特段のイレギュラーな動きが生じなかったとしても、市場参加者らは連休が明けてピークを迎える主要企業の決算発表で動く相場対応に再び追われることになる。

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