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「資本コスト開示を」和製アクティビストが株主提案ー極東貿易など

  • 見積もりの甘い会社が多い-ストラテジックの丸木代表取締役
  • 企業と投資家で資本コストめぐる認識ギャップ大きい

株主総会シーズンを前に、村上ファンド出身の丸木強氏が率いるアクティビストファンド、ストラテジックキャピタルは、株式16%を保有する極東貿易に資本コストとその計算方法を開示するよう定款変更を求めた。今年予定している3社の株主提案にも盛り込む予定だ。

  丸木氏はインタビューで「投資家と経営者の間で、資本コストの認識が違っている」と述べ、「見積もりが甘い会社が多く非常に低く見積もっているケースもある」と指摘。株主資本コストは株主が期待する収益率で算出方法はいくつかあり正解はないが、自己資本利益率(ROE)がこの水準を上回っているのが望ましいとされる。ストラテジックは極東貿易の株主資本コストは8%、ROEは5.2%と考えている。

  18年6月改定のコーポレートガバナンス・コードでは、経営戦略・計画の策定や政策保有株式について自社の資本コストを的確に把握し、それを意識した経営が必要としている。丸木氏は「共通の認識の上で、いかにして資本コストを上回るような投資や事業をしていくか議論できるようになり、株主価値を高めることができる」と指摘する。

  生命保険協会による調査によると、企業の55%は自社のROE水準が資本コストを上回っていると認識しているのに対し、投資家で上回っているとみているのはわずか4.1%にとどまっており、大きな認識ギャップが生じている。また、43%の企業は資本コストの詳細数値を算出していない。

認識ギャップ

半数以上の企業がROEは資本コストを上回っていると回答

出所:生命保険協会

企業価値向上に向けた取り組みに関するアンケート集計結果(2018年度版)

  このほかストラテジックは極東貿易に、政策保有株式の売却と配当性向100%を求めている。同社は極東貿易のほかに投資先3社にも株主提案を予定しているが現時点で企業名は公表していない。大量保有報告書によると、浅沼組(保有比率7.7%)、図書印刷(同7.3%)、世紀東急工業(6.9%)、京阪神ビルディング(5.9%)などを保有している。

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