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野村HD:改革を断行し、独立系金融グループの道歩く-永井CEO

  • M&A戦略はあらゆる選択肢排除せず、アジア富裕層向け事業に興味
  • 自身の任期について3年はやらないと明言、改革を軌道に乗せるまで

野村ホールディングスの永井浩二最高経営責任者(CEO)は、4日に発表したコスト削減策を断行することで収益構造を改善するとした上で、今後も独立系金融グループとして銀行グループなどとは距離を置いた独自路線を貫く考えを示した。

  19日、ブルームバーグとのインタビューで述べた。永井CEOは同社の株価純資産倍率(PBR)が解散価値の1倍を大きく下回る0.54倍と買収ターゲットになりやすい水準に落ちていることに言及。長引く低金利環境は「メガバンクでも大変だ」とし、証券業務などの手数料収益を引き上げる手段として、銀行グループから買収を仕掛けられる可能性もあるとの見方を示した。

Nomura Holdings CEO Koji Nagai Interview

永井浩二・最高経営責任者

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  「具体的な話は何もない」としながら、三菱UFJフィナンシャル・グループによる買収話などがあった場合も「日本の金融グループとしては独立系の強みを大事にしている会社なので、どこかの金融資本グループに属するということは基本的にはない」と述べた。

  世界的に見ても金融機関の株価は低迷し、各社のPBRを押し下げている。ドイツ銀行の直近のPBRは0.26倍で、独コメルツ銀行(0.36倍)との政府主導の合併協議に追い込まれた。フランスのソシエテ・ジェネラル(0.38倍)、英バークレイズ(0.55倍)などの大手でもかなり割安な水準だ。日本のメガバンク3行は0.47-0.54倍となっている。

  永井CEOは、伝統的なビジネスモデルがもはや投資家に評価されなくなったと指摘。野村HDも債券トレーディングなどバランスシートを使ったこれまでの事業モデルを改め、収益に見合ったコスト構造への転換を図ると改革の意義を強調した。

  ホールセール部門のコストを2018年3月期比で10億ドル(約1120億円)削減する計画のうち6割以上は今期(20年3月期)中に実施すると発表しており、それが達成できれば「海外事業はたぶん黒字になる」との見通しも示した。

  成長への布石としての企業の合併・買収(M&A)については「単純な業務提携を含め、あらゆる選択肢は排除しない」と説明。特に、中国以外のアジアのウェルスマネジメント分野に興味があるとした。

  永井CEOは同分野は数年来自前でやっているものの「単独で大きく伸ばすのは限界がある」として、買収のほか、現地のプライベートバンクなどへの一部出資や業務提携も検討するとした。中国では当局に認可された証券子会社の立ち上げを急ぐ。

  また、LINE(ライン)との合弁で設立準備中のLINE証券に関して、永井CEOは開業が「少し遅れている」と述べたが、3月に金融庁に対し金融商品取引業者の登録申請をしており、すべてが順調にいけば今年前半のうちに「何とかしたいと思っている」との見通しを示した。

  一方、自身の任期について永井CEOは「今回の改革を軌道に乗せるまで」との考えを示した。構造改革の完了には3年程度かかるとみているが「3年はやらない」と明言。「順調に進めば半年ぐらいかもしれないし、全然進まないかもしれない」とし、めどは明らかにしなかった。永井氏は12年8月にCEOに就任しており、7年2カ月間トップを務めた田淵節也氏以来の長期政権となっている。

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