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メガバンク撤退特需も、外貨宅配の取扱高10倍見込む-トラベレックス

  • 年8000件前後の外貨宅配取り扱っていた三井住友銀、ニーズ減で撤退
  • 三井住友銀の提携先地銀などから問い合わせが70ー80件

英トラベレックスグループ傘下の外貨両替会社トラベレックスジャパンは、外国通貨を渡航前に余裕を持って入手できる外貨宅配サービスで、2019年度の取扱高を前年度比10倍と見込んでいる。多くの地銀を提携先に抱えていた三井住友銀行が4月1日に同サービスを終了したため、その代替需要などを見込んでおり、他の事業を含む全社の外貨両替取扱高は前年比約25%増の1000億円を目指す。

Travelers At The Airport And Train Stations Over The Summer Holidays

羽田空港の外貨両替所

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  トラベレックスジャパンの大谷淳社長がブルームバーグのインタビューに答えた。外貨宅配は出張や旅行の出発前にインターネットで外貨を購入し宅配してもらうサービスで、混雑した空港での両替を避けたり、取り扱いの少ない通貨の購入を希望したりといった需要を取り込む。一般的に30万円程度の両替上限を設ける例が多く、配送料は無料から1000円程度。主な事業者の取り扱い通貨は30種類超に上る。

  大谷社長は、国内の外貨両替の市場規模は年4000億ー5000億円程度で、うち宅配サービスは5%前後を占めると推計。メガバンクで唯一、サービスを展開していた三井住友銀の撤退後も、トラベレックスのほか、ゆうちょ銀行やJTB、グリーンポート・エージェンシーなどがサービスを行っている。

  三井住友銀リテールマーケティング部の青山武広副部長は、撤退を決めた理由としてサービスへのニーズの減少を挙げる。同行が自行や提携先を通じて扱っていた外貨宅配は直近で年8000件前後だったが、ここ3年で3-4割落ち込んでいたという。背景には海外で現地通貨が引き出せるデビットカードなどの代替サービスが普及したことがあるとみている。

  同行グローバルビジネス推進部の南部堅悟グループ長によると、同行に取り次ぐ形で利用者にサービスを提供していた地銀、信金は150程度と全提携先(約600社)の4分の1を占めていた。同行は撤退時にトラベレックスへの取り次ぎに切り替えたが、提携先の中にはそのまま取り扱いを終了する金融機関も出ている。同行はサービス継続を希望する金融機関の一部にはトラベレックスを紹介したという。

グローバル展開の強み

  青山副部長は利用者の減少により、同サービス単体で見るとコストに見合わなくなってきた部分はあったと説明。一方、トラベレックスは外貨両替専業としてグローバル展開しているため、効率的に運営できる強みがある。大谷社長によると、3月に入ってから地銀や信金からの問い合わせが始まり、これまでに70ー80件が殺到している。金融機関との提携実績は数行にとどまっていた。

  大谷社長は、問い合わせは「とてもありがたい」とし「地域金融機関はお金のことならまず頼ってもらうというフルサービスで顧客から信頼を得てきた。サービスの幅は維持したいが収益面からは本業に集中したいというジレンマがあるのだと思う」とし、新たに自社と提携することで引き続き顧客にサービスを享受してもらえると強調した。トラベレックスは非上場。

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