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「袋小路」の地銀が格下げ主導、1~3月期-収益力重視で再編圧力

  • 名古屋、静岡、栃木、伊予、岩手の各地銀が信用格付け下げに
  • 統合より合併して店舗減が必要-関東地方のある地銀関係者

収益性の落ちている地方銀行が1-3月期の信用格付けの下げを主導した。政府・金融庁の対応も含めて業界に再編圧力が強まっている。

  この期の格付け変更は35件。うち格下げは14件と2年超ぶりの多さで、変更数に占める比率は40%とほぼ3年ぶりの高水準になった。ブルームバーグが格付け5社を集計した。下げで目立つのは名古屋、静岡、栃木、伊予、岩手の各地銀。うち4行を下げた格付投資情報センターの久保太郎アナリストは、収益力維持へ有価証券運用といったリスクを取ると資本を通じて耐久力が落ちるとして「地銀は袋小路」と指摘、固定費減の必要性を示した。

格下げ割合がほぼ3年ぶり高水準

金利低迷で地銀の格下げが増加

出所:ブルームバーグ・データ

注記:R&I、JCR、S&P、ムーディーズ、フィッチの格付けアクションを4半期ごとに集計

  日本銀行のマイナス金利政策下での利ざや縮小や人口減・高齢化で収益が悪化している地銀の再編圧力は増している。政府の成長戦略の司令塔である未来投資会議(議長:安倍晋三首相)は3日、地銀の業績悪化で地域金融に懸念が生じる場合、特例的に経営統合を認める検討を始めた。今夏に方向性を出す。金融庁も同じ日の新監督指針で、健全性に将来の収益力も加味して、早めの経営改善を促す姿勢を示した。

  関東地方のある地銀関係者は業界再編について、求められる店舗削減には持ち株会社形式より踏み込んだ合併が必要だと語った。店舗統廃合を目立たないようにする地銀もあるが、特に自治体の指定金融機関は地元の反発も含めて思うように進められないという。地銀は貸出収益が低迷している上、利益を支え続けた貸倒引当金戻り益や有価証券含み益も減り始めてこれという処方箋がないのが現状だとしている。

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