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海外での戦略的買収、資産運用分野で模索ーMUFG三毛新社長

  • 買収規模1兆円、「まだそこまで使っていない」-資金余力に言及
  • 規制対応は今後強化の方針、NYと「同品質」の体制を世界に

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の社長に1日付で就任した三毛兼承氏は、海外での戦略的買収について資産運用の分野で今後も可能性を模索する意向を示した。

  三毛氏は3月26日のインタビューで、「アセットマネジメント(資産運用)とインベスターズサービス(ファンド管理事業)」は「オポチュニティー(機会)があれば可能性がある」と述べ、買収による事業強化もあり得ると示唆した。傘下の三菱UFJ信託銀行の池谷幹男社長が資産運用事業拡大に向け1兆円規模で買収を進めると2017年に発言したことを引き合いに、「まだそこまでは使っていない」と資金余力についても言及した。

Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ Ltd. CEO Kanetsugu Mike Attends Media Roundtabe

三毛兼承・MUFG社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  MUFGは事業戦略「再創造イニシアティブ」で、戦略性のより高い案件に資本をシフトする方針を示しており、17年にはインドネシアの商業銀行バンク・ダナモンの株式を取得するなど積極的に展開してきた。

  資産運用部門では昨年、豪コモンウエルス銀行とコロニアル・ファースト・ステート・グループ保有の資産運用会社9社を取得。堅調な成長分野で顧客ニーズ多様化に対応するとともに、海外では買収先ブランドを生かした運営を進める。買収後の資産残高は約7300億米ドル(現在のレートで約81兆4000億円)で、グローバルではトップ30位以内。MUFGは、同買収を足掛かりに今後トップ15となる100兆円規模まで拡大させる方針を示している

  三毛氏は、過去10年で大きくしてきた海外事業を「もっとリーン(無駄を排した形)にしなければいけない」と述べ、低採算アセットをリターンの高いものに入れ替える必要性も合わせて強調した。同社は先月、ドイツ第2位のDZバンク傘下のDVBバンクから、顧客向け貸出債権総額約56億ユーロ(現在のレートで約7000億円)の航空機ファイナンス事業を買収し、既存事業の強化を図っている

規制対応

  グローバル化に伴うコンプライアンス(法令順守)への対応について三毛氏は、「まだ強化しなければいけない部分がある」と述べ、今後も体制整備を進める考えを示した。MUFGは17年に約1000人体制のグローバル金融犯罪対策部をニューヨークの米州本部に設置、日本と連携しながら対策を強化してきた。

  三毛氏は、ニューヨークでのドル決済に関わるコンプライアンス対応は「ニューヨークと東京で完結する話ではない」として、世界各地で「同じ品質の対応と体制」を整えると語った。強化する人員やコストの規模については明言を避けた。

  テロ資金などのマネーロンダリング(資金洗浄)や不正口座取引などへの規制は世界各国で強化が進んでおり、MUFGはこれまで20年度の規制・制度対応コストは17年度比で350億円増加との見込みを示している。

  同社は2月、資金洗浄防止や米国の経済制裁に関する内部管理体制などについて米国通貨監督庁(OCC)の検査を受けた結果、同行の米国支店で改善措置などを講じることで同庁と合意したと発表している。

グローバル一体経営

  三毛氏はインタビューで、平野信行前社長時代にアジア事業のプラットフォームが確立し、グローバル化が進んだことでグループの一体運営がさらに重要になったとし、「変革をスピードアップしてリーダーシップを発揮してやり切るのが私の第一の使命」と述べた。

  昨年12月の社長交代会見で平野氏は、MUFGは役職者が多く意思決定に時間がかかる「大企業病」だと指摘。三毛氏が持ち株会社と銀行トップを兼任することで構造改革は加速すると期待感を示していた。

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