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欧州政界への浸透図る中国-EUの議会選挙に異例の関心との指摘も

  • 接触する政治家の方向性にとらわれず-今は右派との関係構築模索
  • ブルームバーグが外交官や議員ら20人余りにインタビューを行った

欧州議会のナージ・デバ議員(英保守党)は昨年11月、イノベーション(技術革新)に関する会議のため北京を訪れた。欧州連合(EU)中国友好グループ会長のデバ氏にとってはいつもの旅だった。いつものように中国政府側が旅客機のエコノミー席をビジネスクラスにアップグレードしてくれた。ホテル代や経費も向こう持ちだ。

  デバ氏と同グループはEUの公式代表ではないが、EUが正式派遣する代表団よりも厚遇された。共産党の序列3位である全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会の栗戦書委員長や党中央対外連絡部の宋濤部長、党中央政治局の蔡奇委員と面談したのだ。

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ナージ・テバ欧州議員

写真家:マークドスマン/欧州議会

  デバ氏はフランスのストラスブールにある議会事務所でのインタビューで、自身について「かなり親密に中国と関わっている」と述べ、同氏の訪中に関する中国側の手配を認めた。この訪中は欧州議会で記録されており、議員に関する行動規範に準拠している。

  同氏は中国の動機に対して広がりつつある警戒感はお門違いだと主張。自らの経験に照らして言えば「無知」もその一因だと説明した。15年間にわたり中国をウオッチし続けているが「中国側が犯した大きな間違いは1つとして思いつかない」と話した。 

Italy Sign A Memorandum On China's Belt and Road Initiative

中国の習近平国家主席とイタリアのコンテ首相(ローマでの「一帯一路」覚書調印式、3月23日)

写真家:Alessia Pierdomenico /ブルームバーグ

  経済力を背景とした中国の台頭に世界中で疑念が広がる中で、EU加盟国における親中的な政治家や政党に光を当てるため、ブルームバーグは中国と欧州で外交官や政府当局者、議員、経済界首脳ら20人余りにインタビューした。

  浮かび上がってきたのは、相手方の党派にとらわれない中国側による広範な接触だ。中国政府との経済・行政協力の強化を促す向きもあれば、中国における人権記録の修整を図る立場の人物もいた。インタビューでは以下のようなことが示された。

  • 欧州政界への中国の浸透に地理的な制約はない。ドイツやフランスといった欧州中核国のみならず、ルーマニアやハンガリーなど東欧諸国、さらに小国ながら戦略的に重要なベルギーとポルトガル、ギリシャ、オーストリアへも食い込んでいる
  • 接触する政治家の方向性は気にしない。伝統的に中国政府は欧州で主流派政党や旧共産国との結び付きが強いが、今は「ドイツのための選択肢(AfD)」などの右派ポピュリスト政党やオーストリアの自由党といった反移民を掲げる民族主義的傾向のある政党、既成勢力に反対するイタリアの「五つ星運動」などとの関係構築を進めている
  • 5月の欧州議会選挙を控えた最近の数カ月間、中国は積極的に触手を伸ばしている

  
  複数の欧州外交官が指摘したのは、欧州議会選挙に中国側が異例の関心を寄せているということだ。特にポピュリスト政党の候補者がEUの中国政策にどのような意味を持つことになり得るのかへの関心が強いという。中国外務省にファクスでコメントを求めたが返答はなかった。

Huawei Technologies Co. Open European Cyber Security Centre

ブリュッセルにあるファーウェイ・テクノロジーズ・サイバー・セキュリティー・トランスパレンシー・センター

写真家:中尾百合子/ブルームバーグ

原題:China’s Influence Digs Deep Into Europe’s Political Landscape(抜粋)

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