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Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg

英下院「合意なき離脱」阻止する法案僅差で可決-与野党協議続く

更新日時
  • 賛成313、反対312のわずか1票差ながら法案は下院を通過
  • 離脱強硬派は来週にも合意がないまま離脱することを望んでいた
Light illuminate windows in the Houses of Parliament in the early morning in London, U.K., on Tuesday, Dec. 11, 2018. Faced with a Brexit vote she can't win, Theresa May appears to be gambling that running down the clock to a no-deal departure might change the arithmetic in Parliament.
Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg

英下院は3日、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」を阻止する法案を僅差で可決した。与党保守党内の離脱強硬派は、来週にも合意がないままEUを離脱すること望んでいたが、議会はこれを拒否した。

  メイ首相が反対した同法案は賛成313、反対312のわずか1票差ながら賛成多数で下院を通過し、4日の手続き完了を目指し上院に送られる。

  首相と最大野党・労働党のコービン党首はこれに先立ち、1時間余りにわたって会談した。両サイドが「建設的」と評価した協議では、交渉チームの選任と追加作業のプラン策定で合意し、4日も担当者の話し合いが続けられる。

  コービン党首は首相との最初の会談後、話し合いは「有益だったが、結論には至っていない。EUとの関税同盟への残留と単一市場へのアクセス、ダイナミックな規制の整合を望む労働党の考え方を提示した」と発言。経済的な打撃を伴う「合意なき離脱」や「悪い合意」の下での離脱阻止に向け、再国民投票の選択肢も取り上げたことを明らかにした。

  メイ首相は合意の下でのEU離脱を確実なものとするため、EUとの将来の関係の枠組みを描く「政治宣言」部分に的を絞り、共同案の策定への協力をコービン氏に要請。首相はEU離脱の重要な目的を損なうという理由から関税同盟への残留の可能性をこれまで排除してきたが、与党保守党内の離脱推進派は3日、コービン氏のいわゆる「ソフトブレグジット」のビジョン実現に道を開いたとして首相を非難した。

  関税同盟が労働党と妥協の余地を探る部分となりそうだ。EU離脱を巡りメイ政権に法的助言を行う離脱推進派のコックス法務長官は、BBCテレビとのインタビューで、関税同盟に残留する妥協案を受け入れる余地があることを示唆した。「関税同盟は望ましくない」としながらも、「離脱しない」か「関税同盟付きの離脱」か二者択一なら「私は常に離脱する方を選ぶ」だろうとコックス氏は述べた。

  コービン氏と妥協案で合意すれば、首相は議会の承認を求め、EUが10日に開く臨時首脳会議に臨む。EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長は「離脱案が12日までに英議会で過半数の支持を得られる状況なら、EUは5月22日までの離脱延期を承認するだろう」と欧州議会で語った。

  一方、メイ首相がEU臨時首脳会議で、9カ月の長期離脱延期を要請する見通しだと首相官邸からの情報を引用し、英大衆紙サンが報じた。最終決定は行われていないが、下院が離脱合意案を可決し次第、5月22日までにより早期の離脱を実現するという首相の約束を果たすため、EUへの要請には「中断条項」が盛り込まれる見込みという。

原題:U.K. Parliament Acts to Block Potentially Chaotic No-Deal Brexit
Pro-Brexit Attorney General Accepts Customs Union Compromise
EU Would OK Brexit Delay to May 22 With Deal Secured: Juncker
U.K.’s May Could Request 9 Month Delay During EU Summit: Sun(抜粋)

(コックス法務長官の発言などを追加して更新します.)
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