コンテンツにスキップする

米金融当局、資産バブル生成の恐れも-物価加速に躍起となるあまり

  • シカゴ連銀の計測では現在の金融状況は1994年以降で最も緩和気味
  • パウエル議長は低インフレを「昨今の重大な課題の一つ」と表現

米金融当局は物価目標を下回って推移しているインフレ率の押し上げに躍起となるあまり、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が直近2つのリセッション(景気後退)に結び付けたのと同じような資産バブルを生成させるリスクがある。

  世界経済の成長鈍化について投資家の懸念は払拭(ふっしょく)されないままだ。だが米金融当局が今年、利上げ路線から予想外の姿勢転換を図ったことで、株式や高利回り債などリスク資産は値上がりした。少なくともシカゴ連銀の計測では、現在の金融状況は1994年以降で最も緩和気味となっており、さらなる緩和の可能性も十分ある。

Easy Financial Conditions

  元FRB当局者で現在はPGIMフィクスト・インカムのチーフエコノミスト、ネイサン・シーツ氏は「晩春までに成長加速が意識され、金融当局が静観の姿勢を保ったままなら、市場はゴルディロックス(適温)状態が戻ってリスクオンだと言い始めるだろう」と語った。

  実際にそうなれば、金融当局は困った状況に置かれる。パウエル議長は先月、路線転換を打ち出すのに当たり、低インフレは「昨今の重大な課題の一つだ」と述べてインフレ圧力の加速に向けた当局の決意を浮き彫りにした。議長は、次の金利の動きが引き下げとなる可能性にも道を開いた。

  しかし、低金利を通じてインフレ加速を目指す取り組みは、過度のリスクテークを促して金融の安定性を脅かすことになりかねないと、アリアンツの主任経済顧問を務めるモハメド・エラリアン氏は指摘する。

  そして、金融政策を巡る広範な戦略の見直しを来年完了する予定の米金融当局が、インフレ目標達成のための枠組みを変更することになれば、金融の安定性とインフレとの間のトレードオフ(二律背反)は一層先鋭化するかもしれない。

原題:Fed Risks Fomenting Financial Bubbles in Zeal to Lift Inflation(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE