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メイ首相、離脱再延期要請へ-「政治宣言」で野党と妥協案探る

更新日時
  • 合意すれば共同案の議会承認を求め、10日のEU臨時首脳会議に臨む
  • 合意なければ複数の選択肢を下院の採決に付し、政府は決定に従う
メイ首相

メイ首相

Photographer: JOHN STILLWELL/AFP
メイ首相
Photographer: JOHN STILLWELL/AFP

メイ英首相は、欧州連合(EU)離脱を巡る行き詰まりを打開し、無秩序な「合意なき離脱」を回避するため、最大野党・労働党のコービン党首に共同プランの立案への協力を求めた。共同案はEUとの将来の関係の枠組みを描く「政治宣言案」部分に的を絞る。

  与党保守党と閣外協力で政権を支える北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)のプロジェクトとしてEU離脱を推進していく戦略をメイ首相は2日夜に断念した。下院で3度否決された離脱合意案の可決に向け十分な賛成票が決して得られない現実を受け入れざるを得なかったようだ。

  メイ首相の労働党党首への協力要請は、場合によってEUとの関税同盟にとどまるような首相案よりかなりソフトなEU離脱の可能性に道を開きかねない。首相にとって交渉のレッドラインを大きく踏み越えることを意味するが、産業界にとっては朗報となる。この動きを受け、ポンド相場は上昇した。

  コービン党首はメイ首相の申し出を歓迎し、「非常に喜んで」会うと発言。EUサイドの最初の反応も前向きなものとなった。

  メイ首相は7時間に及ぶ異例の長時間閣議の後、危機を乗り切るために4月12日の離脱期限のさらなる延長が必要になるだろうと語った。メイ氏は首相官邸でテレビカメラに向かい、「この議論、この分裂状態をずっと長く続けるわけにはいかない。国益のために国の結束が必要だ」と訴えた。

  メイ首相の計画の主なポイントは次の通り。

  • 合意の下でのEU離脱を確実なものとするため、コービン党首と共同案での一致に向けて協議。将来のEUとの関係に的を絞る
  • 両者が合意すれば、共同案の議会承認を求め、その後EUが10日に開く臨時首脳会議で締結を目指す
  • メイ首相とコービン党首が合意に至らない場合、英・EUの「将来の関係について複数の選択肢」を下院に提案し、採決に付す。議会の決定がどのようなものであれ政府は実現を約束する
  • 英国のEU離脱を可能にし、5月の欧州議会選挙への参加が必要になる事態を避けるために関連法をその後成立させる

  メイ首相はコービン党首とのいかなる合意も、EUと取り決めた「離脱協定案」部分を含む形で議会の承認を得る必要があると主張した。

  一方、コービン氏は「協議の前に何らかの制約を設けたいとは思わない」としながらも、EUとの関税同盟への残留と「不可欠」な市場へのアクセス維持を望んでいると述べ、「われわれはそれらを確実に議題に乗せる」と言明した。

  2日の閣議で示された閣僚らの過半数の反対を押し切る形で、メイ首相はEUからの合意なき離脱の選択肢を排除し、EU離脱手続きを定めるリスボン条約50条の適用延長を要請する方向にかじを切ったと英紙テレグラフが報じた。

  同紙によれば、フォックス国際貿易相やウィリアムソン国防相、ジャビド内相、レッドソム下院院内総務、ハント外相、ルイス保守党幹事長ら14人が反対し、賛成は10人にとどまった。ハモンド財務相とガーク司法相、クラーク民間企業相、ラッド雇用・年金相、ゴーブ環境・食料・農村相、コックス法務長官らは長期の離脱延期を支持したという。

メイ首相は最大野党・労働党のコービン党首との会談を提案

ソース:ブルームバーグ)
U.K. PM Theresa May Asks CBI Conference To Back Her Brexit Deal

労働党のコービン党首

写真家:Jason Alden / Bloomberg

原題:U.K.’s May Seeks Deal With Labour to Break Brexit ‘Logjam’ (1)
May’s Plea to Corbyn to Rescue Brexit Sets Stage for Showdown
May Mulls Asking Lawmakers to Rank Brexit Outcomes: Telegraph(抜粋)

(保守党とDUPだけに頼る限り離脱案の議会承認は困難との見方を追加して更新します.)
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