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Photographer: Jason Alden/Bloomberg

英下院が離脱代案再び拒否、首相案4度目採決も-今週決選投票か

更新日時
  • 「EUとの関税同盟への残留」案はわずか3票の僅差となった
  • 2日に5時間に及ぶ異例の長時間閣議を予定、路線巡り閣僚ら衝突も
Anti-Brexit protesters stand near the Houses of Parliament on April 1.
Photographer: Jason Alden/Bloomberg

英下院は1日、メイ首相が欧州連合(EU)と取り決めた離脱合意案に代わる4つの案について、議員らの支持動向を探る拘束力のない投票を再度実施した。投票の結果、いずれの代案も反対が賛成を上回った。ただ「EUとの関税同盟への残留」案はわずか3票の僅差となり、前回投票から票差が縮小した。

  3月27日に続いて行われた「インディカティブ・ボート」では、「再国民投票」案と「EU単一市場への残留」案、「合意なき離脱」まで2日以内となった段階で「確認投票」を議会に義務付ける「緊急ブレーキ」案も反対多数となった。

  EUからの離脱期限の4月12日が11日後に迫る中で、代案を探る下院の投票も行き詰まりをなお打開できず、メイ首相は次にどう動くか重大な決断を迫られる。首相が危機対応を話し合うため2日に招集する閣議は、突っ込んだ討議を行うことを前提に5時間に及ぶ異例の長さを予定する。

  EUが4月10日に開く臨時首脳会議までにメイ首相の離脱協定案が議会を通過しない場合、いずれも非常に危険を伴う選択肢のどれかを首相は選ばざるを得ない。EUに長期の離脱延期を申請することも可能だが、与党保守党内の欧州懐疑派の怒りを買い、閣僚や政務担当者の辞任が相次ぐ恐れがある。総選挙や再国民投票を通じて民意を問う動きや「合意なき離脱」もあり得るが、後者は議会が阻止すると予想される。

  一般議員らには立法議案の主導権を握り、妥協案を探る機会が3日に再び与えられる。1日の投票で反対と賛成が3票差となった関税同盟への残留案が、3日も引き続き支持を集めると考えられるが、保守党内の反対は強く、同党に限ると反対236に対し、賛成は37にとどまった。バークレイEU離脱担当相は、離脱延期の長期化を避けるため、メイ首相の離脱案を今週議会で4度目の採決に付す可能性を示唆した。

  英大衆紙サンが報じたところでは、メイ政権の離脱推進派の閣僚らはEUとの離脱案を巡り、アイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置回避を保証する「バックストップ(安全策)」の改善を求めてEUに最後通告を行うか、4月12日に合意なき離脱を断行するよう首相に2日の閣議で要求する見通しだ。

  同紙によれば、4日に予想されるインディカティブ・ボートの決選投票で、メイ首相の離脱案が関税同盟への残留案に敗れた場合、後者を仕方なく受け入れるというコンセンサスも一方で閣内に広がりつつあるという。

  当局者の1人が語ったところでは、2日の閣議では年末かそれより先まで離脱を延期する一触即発の案の検討が求められる可能性も高く、離脱推進派との衝突が見込まれる。

  袋小路から抜け出す手段として、メイ首相が解散・総選挙に動くとの臆測が広がっているが、首相が2日に異例の長さの閣議招集を決めたことで、総選挙に向かうのではないかという観測にさらに拍車が掛かった。

  ノルウェー型のEU単一市場へのアクセスに「包括的な関税取り決め」をプラスした「共同市場2.0」案の発案者であるニコラス・ボールス議員は1日、下院で同案が支持されなかったことを受け、与党保守党からの離党を表明。離脱案を巡り極度の緊張が続く状況を印象付けた。
 
原題:U.K. Brexit Crisis Deepens as Commons Fails to Find Plan B (2)
Brexiteer Ministers to Demand May Issue Backstop Ultimatum: Sun
May’s Cabinet Confronts Brexit Crisis After Commons Stalemate(抜粋)

(閣議で長期離脱延期の検討求められる可能性も高いとの情報を追加して更新します.)
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