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Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

トルコリラ急落も、個人はフラッシュクラッシュ前より買い持ち

A selection of Turkish Lira banknotes sit on a table in this arranged photograph in London, U.K., on Thursday, Dec. 13, 2018. After being overtaken by Turkey's lira in May, the South African rand’s one-week implied volatility against the dollar is now a hair’s breadth away from regaining the top spot.
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

日本の外国為替証拠金(FX)投資家によるトルコ・リラの買いポジションが、1月に起きた対円相場のフラッシュクラッシュ(瞬間急落)前の水準を上回っている。市場関係者は、今週末の地方選挙後にトルコ当局がリラ防衛の手を緩めれば、投機勢がリラ売りを再開させ、個人投資家を巻き込んで急激なリラ安・円高を招く恐れがあると指摘している。

Turkey’s Economic Woes Hurt Erdogan as Local Elections Loom

トルコの選挙向けに張り出されたエルドアン大統領率いる公正発展党の選挙ポスターの前を通る歩行者

Photographer: Miguel Angel Sanchez/Bloomberg

  東京金融取引所のFX取引データによると、個人投資家のリラの対円での買い建玉は28日時点で31.7万枚。先週末のリラ大幅下落により、建玉は21日の直近ピークから減少しているが、フラッシュクラッシュ発生前日の1月2日の水準(28.8万枚)を上回り、昨年8月のトルコショック直前(同月3日で32.5万枚)とほぼ同水準となっている。

  トルコのオフショア市場では、リラを借り入れる翌日物スワップレートが27日に一時1000%を上回った。エルドアン政権への支持が試される地方選挙を前に、政府が海外勢による投機的な動きを阻止するため国内銀行に圧力をかけるなどして流動性を大幅に制限した結果、リラ不足が起きたことが背景にある。

  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、「今は当局の措置に敬意を表しているが、投機筋のファイティングスピリッツに火を付けてしまった可能性がある」と指摘。「これだけの高い金利を維持できるとは思えず、どこかで戻さざるを得ないし、戻した瞬間に投機筋が再びリラ売りを仕掛ける可能性は非常に高い」とみている。

高水準の買い建玉

  フラッシュクラッシュが発生した1月3日、リラ・円相場は最大で9%急落し、個人投資家の買い建玉は4.5万枚減少した。先週末も一時7%超下落し、個人投資家は買い建玉を1.7万枚減らした。神田氏は、選挙後はリラの乱高下が続き、「その過程で1リラ=18円割れも十分あり得る」とし、そうなれば個人投資家によるリラ売りが加速する可能性があるとみている。

  トルコの統一地方選を巡っては、政権与党が主要都市で敗北した場合、エルドアン大統領は財政ばらまきで支持率回復を図る可能性がある、とフジトミの山口哲也チーフテクニカルアナリストは指摘する。「経済がマイナス成長に陥っていて、財政も悪いという中でばらまき的なことをやると懸念されるので、リラは一時的に暴落する恐れがある。そもそも流動性が低いし、週明けは怖い」と言う。

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