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ナティクシスの320億円損失の影に日本や韓国で人気の仕組み商品

  • 債券と株式を組み合わせた複雑な商品への需要は依然根強い
  • BofAとBNPはナティクシスのポジションの一部を引き取る

フランスの銀行ナティクシスは昨年10-12月(第4四半期)に、アジアで人気の高い複雑な商品に絡み2億5900万ユーロ(約320億円)の損失を出した。リスクを取り過ぎているとの警告が行内から発せられていたにもかかわらず、利益の大きさに抵抗できなかった結果だと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。

  ナティクシスでは衝撃がまだ去らないが、損失の原因となった債券と株式を組み合わせたこの商品への需要は依然として根強く、バークレイズはナティクシスでこの取引を手掛けていたアジアセールス責任者を採用した。バンク・オブ・アメリカ(BofA)BNPパリバはナティクシスの残りのポジションの一部を引き取った。これらの銀行は歴史の教訓をリスク覚悟で無視していると、業界のベテランは指摘する。

  JPモルガン・チェースとバークレイズで株式デリバティブ(金融派生商品)トレーダーとして働き、複雑な金融商品に関する著書もあるクラーク・ピッツ氏は、「これは何回も語られてきた教訓だ」とし、「他の銀行が利益を得ているのを見て自分たちもできると考えるだろうが、簡単ではない」と話す。

  ナティクシスの親会社グループBPCEは損失の経緯について内部調査を行っている。ナティクシスとグループBPCEの広報担当者はこの記事についてコメントを控えた。

Korean Wave

Natixis led a surge in sales of exotic equity products in 2018

Source: Samsung Securities

*Figures refer to sales of autocallables in Korea

  問題の商品はもともと、ゼロ金利の日本の貯蓄者向けに設計され、韓国でも普及した。「オートコーラブル」や「エクイティーリンク証券(ELS)」として知られるこの仕組み商品は、債券のようにクーポンが支払われるほか、株式のパフォーマンスに連動し株価上昇の恩恵も受けられる。あらかじめ設定されていた水準を株式相場が下回った場合のみ、投資家に損失が生じる。

Winning Formula

Koreans flock to complex securities after decade of declining deposit rates

Source: Korea Capital Market Institute

  販売する銀行は、この商品の複雑な構造から、ボラティリティー、為替、金利といった多数の市場リスクにさらされる。オートコーラブルのポートフォリオの価値を保護するために、銀行はヘッジをするが、株価が下がり始めるとヘッジは複雑になりコストが高くなる。ナティクシスのナタリー・ブリッカー最高財務責任者(CFO)は、「不完全なヘッジ」が損失の理由だったと説明している。

原題:How Natixis Lost Almost $300 Million in a Black Hole in Asia(抜粋)

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