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中国、海外メディアへの影響力行使図る-国境なき記者団

  • 世界報道自由度ランキングで、中国は180カ国・地域中176位
  • 中国式プロパガンダがメディアむしばむ-民主国家の抵抗なければ

中国は自国のイデオロギーを押しつけ、自らの振る舞いに対する批判を抑え込むため海外メディアに対する影響力行使を図っていると国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が批判した。

  パリに本部を置く同組織は25日公表したリポートで、世界における報道の自由度低下に対する中国の影響力を具体的に説明するとともに、習近平国家主席が進める国外での情報コントロール戦略を分析。中国政府はメディアからの広告購入やジャーナリストの旅費負担などを通じ、「イデオロギー的に正しい」表現と自国の歴史における暗部を目立たなくするため、グローバルなプロパガンダ(宣伝工作)ネットワークを拡大していると指摘した。

  国境なき記者団による2018年の世界報道自由度ランキングでは、中国は180カ国・地域中176位。中国より順位が低いのはシリアとトルクメニスタン、エリトリア、北朝鮮だった。

  中国外国人特派員協会(FCCC)は今年1月、新疆ウイグル自治区におけるイスラム教徒弾圧の中で、政府による監視強化と報道への干渉拡大が特派員の取材環境の「大幅悪化」に拍車を掛けているとする報告書を公表。中国外務省は同報告書を一蹴し、「反論にも値しない」とした上で、問題の解決に「建設的でない」と主張していた。

  国境なき記者団のクリフトフ・ドロワール事務局長は発表文で、今回のリポートが各国に行動を促すよう期待するとコメント。「民主主義国家が抵抗しなければ、『中国式』のプロパガンダが世界のメディアを徐々にむしばむ」と訴えた。

国境なき記者団のリポートにおける主な指摘:

  • メディアをコントロールするプロジェクトは、習主席肝いりの広域経済圏構想「一帯一路」と比べあまり知られていないが、一帯一路と同じような野心のある取り組みだ
  • 中国の戦略には世界のメディアからの幅広い広告購入も含まれる
  • 国営の中国国際電視台(チャイナ・グローバル・テレビジョン・ネットワーク=CGTN)は現在140カ国、中国国際広播電台(チャイナ・ラジオ・インターナショナル=CRI)は65言語で放送しており、中国は世界中の人々に報道を伝えることのできるメディアに大規模投資している
  • 新興国からのジャーナリスト数万人が中国側が経費を全額負担する形で北京に出張し、母国のメディアで中国にとって好ましい報道をするよう「教え込まれている」
  • 中国政府は「大規模なスケール」で強要や脅迫、嫌がらせを不特定の行動を通じ行っている
  • 中国はメッセージサービスの「微信(ウィーチャット)」や百度(バイドゥ)の検索エンジンなど検閲・監視ツールを輸出している

原題:China on Campaign to Sway Overseas Media, Reporters’ Group Says(抜粋)

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