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アップル新時代幕開け、25日に新サービス発表

  • 動画ストリーミングとニュース配信の定額利用サービス発表の見込み
  • 定額制ゲームサービスも発表される可能性、サービス企業へシフト

米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は25日にカリフォルニア州クパチーノのスティーブ・ジョブズ・シアターでステージに立ち、同社の新たな時代の到来を告げる。

Key Speakers At The Apple Worldwide Developers Conference (WWDC)

アップルのティム・クックCEO

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  クック氏は、アップルが目指すデジタル・サービス・プロバイダーへのシフトで柱となる動画ストリーミングとニュース配信の定額利用サービスを発表する見込み。また毎月定額のゲームサービスも明らかにする可能性がある。一方、ハードウエア製品の新たなバージョン発表は行われない公算が大きい。

  共同創業者だったジョブズ氏が2011年に死去して以降、アップルを率いてきたクックCEOにとっては、特に大きな挑戦となる。クック氏がこれまで専門としてきたのはハードウエアのサプライチェーンで、「iPhone(アイフォーン)」向けの部品提供に熱心なアジアのメーカーを束ねてきた。しかし、新たなパートナーとなるハリウッドの映画制作会社や映画スター、新聞社、雑誌出版社などは大手テクノロジー企業との提携により慎重であり、アップルが競合していくネットフリックスやアマゾン・ドット・コムなどと提携済みのところもある。

  ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「これはアップルにとって極めて重要なシフトであり、戦略的に2007年のアイフォーン発表以来の大きな動きだとわれわれはみている」と説明。「ストリーミングするコンテンツが成長の要になるが、クック氏とアップルにはサービスに関して期待に添えるかどうか大きな圧力がかかっている」と指摘した。

  アップルのハードウエアの3本柱であるスマートフォンとパソコン(PC)、タブレットの各市場は低迷している。同社は成長を続けるため、「アップル・ミュージック」の定額制サービスや「アイクラウド」のストレージサービス、「アップルケア」の保証サービスといった既存の機器オーナー向けサービスの売り上げを伸ばそうとしてきた。

  アップルは25日、動画とニュースの配信サービスに加え、クレジットカードのサービスも公表する可能性がある。また、これらのサービスをまとめてアマゾンの「プライム」のような形で提供することもあり得る。アップルは既に、複数のサービス利用者への値引きの可能性に言及している。

  先駆けだったアイフォーンとは異なり、アップルの動画サービスは先行企業との厳しい競争が見込まれる。アイブス氏によると、ネットフリックスやアマゾン、ウォルト・ディズニー、フールー、AT&Tのコンテンツへの投資額は合わせて少なくとも年間200億ドル(約2兆2000億円)に達しているが、アップルでは今年10億ドル前後にとどまる。アップルは大型買収を控えてきたものの、大手の動画コンテンツ会社の買収が必要だとアイブス氏は指摘する。

  今のところ、少なくとも14億台のアップル機器が利用されている状況が同社の強みだ。アップルの動画サービスは、これら機器にあらかじめインストールされているテレビアプリで利用できる。

  アイブス氏は最近の投資家向けリポートで、「アップルの計画推進を阻害するものが最小限にとどまり、コンテンツを積極的に取得した場合、インストール済みのベースの大きさと類を見ないブランド信仰の強さを考えれば、加入者が中期的(3-5年)に1億人に達するのは現実的な目標であり、年間のストリーミング収入では70億-100億ドルとなり得る」と分析した。

  事情に詳しい関係者によると、アップルはアップストアの定額制プレミアム・ゲームサービスに取り組んでおり、提携先候補と協議中。同サービスはクラウドを利用するグーグルの新ゲーム事業「スタディア」に対抗するものではなく、アイフォーンと「iPad(アイパッド)」を中心に、ユーザーが月毎に定額を支払い、異なる開発業者の有料ゲームのパッケージを利用する形態となる。アップルの定額制ゲームサービスへの取り組みについては米ケーブルテレビ局のチェッダーが先に伝えていた。

原題:Apple’s Reinvention as a Services Company Starts for Real Monday(抜粋)


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