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ハト派の「リベンジ」-米連銀総裁2人の見解、主流派も受容

  • ブラード、カシュカリ両総裁はかねて追加利上げに反対表明
  • 最新の金利予測では当局者17人中11人が今年の据え置きを予想

かねて米政策金利が間違った方向に向かっていると主張して、そのことによって冷たい視線を浴びることもあったハト派の連銀総裁2人の意見が、今や米金融当局の主流派となりつつある。

  この数年、連邦公開市場委員会(FOMC)参加者(現行は2人欠員の計17人)それぞれの金利予測を点の分布図で表示するドット・プロットで、追加利上げゼロを見込んできたのはセントルイス連銀のブラード総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の2人だけだった。だが20日公表の最新のドット・プロットでは、今年について両総裁を含む11人が金利据え置きを予想していることが示された。

The Fed's March Dot Plot

  ドット・プロットの各点がどの当局者のものかは明示されていないが、ブラード、カシュカリ両総裁はかつて、金利据え置きを望む立場を公言してきた。

  2008年から総裁を務めるブラード氏(58)はこの2年間、持続的な低成長を背景とした低インフレの下で、追加利上げは不要だと訴えてきた。また、ブッシュ(子)政権の財務省で金融危機を受けた金融機関救済のための重要ポストに就いた経歴を持ち、16年に就任したカシュカリ総裁(45)は、賃金の伸び悩みについて、一般に理解されているよりも労働市場に一段と多くのスラック(たるみ)が存在することの反映だと唱えてきた。

Federal Reserve Bank of Minneapolis President Neel Kashkari Speaks At NABE Conference

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁

写真家:Andrew Harrer / Bloomberg

  グラント・ソーントンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「こうした見解を多くの人々がからかってきた」と述べた上で、「金融当局内部には競争があり、あなたが連銀総裁だったら、連邦準備制度理事会(FRB)やそのリサーチに勝りたいと望むだろう。そして両総裁は勝利した」と指摘。「多様な見解に加え、誰もが自由に意見を表明できるようにすることで、金融当局は恩恵を得ている」と語った。

  この2人を他のFOMC参加者から隔てたのは、低失業率だけではインフレ高進にはつながらないというコントラリアン(逆張り)の見解であり、今ではその正しさが証明された。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda and Former Reserve Bank of India Governor Raghuram Rajan Speak At BOJ Event

セントルイス連銀のブラード総裁

写真家:大隅智宏/ブルームバーグ

  カシュカリ総裁の前任者であるナラヤナ・コチャラコタ氏は、自身の見解も非主流派として「よくからかわれた」と述懐。「私やブラード、カシュカリ両総裁のようなアウトサイダーが、ニューヨークとワシントンの中核的な集団思考に対抗する意見を表明するのを、連邦準備制度の組織構造が可能にしている」と説明した。

原題:Revenge of the Doves: How the Fed Mainstream Joined Two Outliers(抜粋)

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